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研究トピックス

紅華祭の裏で・・・

先端食品コースの阿部です。

 10月8、9日(日、祝)に紅華祭が行われましたが、楽しんでいただけたしょうか?今年来られなかった方は、ぜひ、来年遊びに来てください。

 さて、その時、私は紅華祭には行けず、遙か遠い北の地網走(写真1)で実験をしていました。私の研究分野は食品タンパク質が主ですが、今回はちょっと系統の異なる実験をしてきました。詳しいことはまだお話しできませんが、なかなかユニークな研究です。

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 この研究はコンピューターサイエンス学部の先生とのコラボレーション企画で、写真はサケの写真を撮っている風景です。(写真2,3)今回は2トン弱のサケを撮影してきました。サケ1匹あたり約4キロなので、今回の撮影では、だいたい500匹くらいのサケの尻尾をつかんで撮影場所に運んだことになります。これを書いているときは、あちこちが筋肉痛ですが、これだけ動けるということは、まだまだ若いということですかね!??

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 晩御飯は「きんき」という魚をCSの先生と学生の3人で食べてきました。この魚は網走では「めんめ」といいます。身がとても柔らかく、脂もしっかりのってて、結局、背骨しか残らないほど綺麗に食べてきました。(写真4,5)

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 出張は大変ですが、こういう地方の美味しいものを食べれるのは醍醐味ですねっ!!

ガン細胞の栄養補給ルートを利用して、ラクトフェリンでガンを死滅させる

医薬品コースの佐藤 淳です。私の研究室で取り組んでいる研究の一つを簡単にご紹介したいと思います。ちょっと、難しいかもしれませんが、医薬品コースで目指している研究、教育の方向性を理解いただけるのではないでしょうか?

自然免疫で機能するラクトフェリン

 私の研究室では、自然免疫という先天的に我々の身体が持っている免疫(感染やガンなどから我々を守っている仕組み)で機能するラクトフェリン (LF) というタンパク質に着目して、バイオ医薬品としての開発をバイオベンチャー企業と進めています。LFはミルクに含まれるタンパク質で、機能性食品としての開発が進んでおり(サプリメントはもちろんのこと、粉ミルクやヨーグルトなどに入っています)、耳にされた方も多いのではないでしょうか?そう、皆さんの身体の中でも、毎日LFがかなりの量作られていて、我々の身体を守ってくれているのです。

ラクトフェリンはガン細胞を攻撃する

 LFはガン細胞を攻撃する機能を持っており、主に2つの方法でガン細胞を死滅させます。第1の方法は、ガン細胞を攻撃する免疫細胞を元気にして、元気になった免疫細胞がガン細胞を死滅させる方法。身体の中では、主にこの働きでガン細胞を攻撃します。もう一つは、LF自身がガン細胞を直接死滅させる方法。残念ながら、この働きは強くありません。研究室では、後者のLFのガン細胞を直接死滅させる機能に着目して、この機能を高めることで、より強力な抗癌剤を開発しようと、院生を中心に取り組んでいます。詳しいことは省略しますが、LFは分子まるごとの形でガン細胞に取り込まれると、細胞内に入って、ガン細胞を死滅させます。どうも、ガン細胞に取り込まれる量が少ないために、ガン細胞を上手く死滅させられないようなのです。それなら、ガン細胞に取り込まれるLFの量を増やせば良いのでは?・・・・と考えて研究を進めています。

どうやってガン細胞により多くのLFを取り込ませるのか?

では、どのようにしてもっと多くのLFをガン細胞に取り込ませるのか?・・・これが大きな課題です。ガン細胞は、その早い増殖を維持する為に栄養分が必要であり、細胞外からグルコースやアミノ酸、さらにはタンパク質などを大量に細胞内に取り込んで生きています。LFの細胞内取り込みのために、我々はこのガン特有の代謝様式に着目しました。詳しいお話しはしませんが、簡単に言えば、ガンが細胞外からいろいろな栄養分を取り込む代謝様式を使って、このルートでどさくさ紛れに?LFを細胞内に導入しようという作戦です。実際にこの作戦をヒト肺がん細胞株に対して試みたところ、ガン細胞に対するLFの増強した細胞増殖阻害が観察され、ガン細胞の形が変化しました。現在、実際に、ガン細胞内により多くのLFが導入されているのか?など、その増強効果をもたらすメカニズムを調べています。

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我々の夢は、大学発のバイオ医薬品を開発することであり、大学院生を中心として日夜、この夢を追っています。現実は厳しく、難しいですが、これを夢に終わらせることなく、ぜひ現実のものにしたいと願っています。

 

医薬品コース 佐藤 淳

日本発のALS治療薬

脳梗塞の治療薬であるエダラボンは世界唯一のフリーラジカル消去薬として有名ですが,20156月にALS治療薬として日本で追加認可されました.201755日には米国でもALS治療薬として認可されました.1990年から開発に関係してきた者として大きな喜びです.

 

ALS治療ではフリーラジカル消去よりも炎症時にできるペルオキシナイトライトという活性種の消去が重要と考えています.よろしければ小生の総説https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcbn/60/1/60_16-63/_articleをごらんください.

 

応用生物学部  山本順寛

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植物だって日々考えています!~紅葉に見る植物の栄養リサイクル~

さて今回は、日本の四季の代表的な風物詩である『紅葉(黄葉)』から、植物の巧妙な生存戦略と栄養リサイクル機構に関して、少し先端的な研究を交えて、解りやすくご紹介出来たらと思います。

 皆さんは、秋の落葉を見るとどのように感じるでしょうか?

『夏場元気に緑色だった葉が、寒くなってきたので元気なく黄色になり、そして落葉している』と何となく思う人もいるかも知れません。でも、この『黄葉と落葉』には、植物が厳しい自然環境に如何にして適応してきたかの知恵がたくさん詰まっています。

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工科大の秋

落葉樹は春に冬芽が発芽して葉を展開し、夏の間に盛んに光合成をして、自らを生長させ、種子を作るための養分を貯蔵します。秋になり日照が短く気温が下がってきたとき、落葉樹が緑の葉をつけたままだとしたらどうなるでしょう?葉の葉緑体での光合成能力が落ちて植物体全体のエネルギーを維持できなくなります。そこで生育に不利な時期には、一度落葉して、幹側に栄養を蓄積させ、翌年の春を待つのです。

つまり、植物は日長や温度等の外部環境を正確に把握して、自ら積極的に紅葉(黄葉)と落葉を引き起こしていることになります。

 葉の葉緑体には、光合成を効率的に行うための複数の色素が含まれており、大部分を占める葉の緑色はクロロフィルに由来し、黄色はカロテノイドに由来します。紅葉の時期に、葉が黄色くなるのは、色素の大部分を占めるクロロフィルが分解され、アミノ酸にまで分解され、隠れていたカロテノイドの黄色が現れることによるためです。このクロロフィル分解により、葉から大量のアミノ酸が幹側に移動・蓄積し、新芽の新しいエネルギーになるわけです。

 最近の私達の研究から、皆さんが毎日食べているイネにおいて、『オートファジー(自食作用)』と呼ばれる分解システムが、葉緑体の分解を担っており、植物体内のアミノ酸や窒素に代表される栄養のリサイクルに貢献していることが明らかになりました。

http://www.teu.ac.jp/press/2015.html?id=82

 緑色や赤色の蛍光を発するタンパク質(GFPRFP)を利用したライブセルイメージング技術をイネに適用し、イネの生きた葉や根でオートファジーを可視化することに成功しました。さらに、葉緑体がGFPで光るイネを作出し、葉緑体分解の可視化にも成功しました。このような研究は、植物の栄養リサイクル機構の解明に役立つだけでなく、「効率的に栄養を利用できる植物を作る」といった応用研究への発展も考えられます。

 オートファジーは、植物に限らず、ヒトを含む動物や酵母といった「真核生物」に分類される生物が広く持っている機能で、細胞の一部を小胞で隔離し、その内部を分解するシステムです。現在、オートファジーは創薬を含めた多くの研究者が注目する生命現象の一つとなっています。

 もしかしたら樹木の黄葉や落葉にも、この『オートファジーによる葉緑体分解』が重要な役割を果たしているのかも知れませんし、研究の興味は尽きません!

 是非皆さんも、身近な植物や樹木をちょっと立ち止まって、見てみて下さい。

日常に溶け込み過ぎて気にも留めない現象にも、実は不思議や興味がたくさん隠れているかも知れませんので…

 

来須


研究の紹介(阿部周司先生)

みなさん、こんにちは。応用生物学部の阿部です。

もうすぐ、東京工科大学に着任して1年になります。今年は本当に、教授の梶原先生をはじめとした多くの先生方、また、個性的な研究室のメンバーに支えられ、色々な事を経験できた良い1年になりました。3月に研究室を巣立っていく学生には、研究室で学んだこと(実験手法だけでなく、物事に対する取り組み方やここ一番という時にどれだけ踏ん張れるかということも含めて)を活かして、社会で活躍してほしいと祈っております。

 

さて、ここからは、私が取り組んでいる研究テーマについてお話しさせて頂きたいと思います。

現在、私は「食品原料の加工特性」に関して、「冷凍すり身」と「再凍結」という2つのキーワードを軸に研究を行っています。これだけ、聞いただけでは、どんなことをやっているのかすぐにピンと来ないと思いますので、説明いたします。

 

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個性のある皮膚の細胞

 皮膚は人間の体の最も外側にある器官です。そして、体の組織の中では少し変わった構造を持っています。皮膚は体の外側から表皮と真皮に分けられます。表皮は表皮細胞と云われる細胞で構成されています。表皮細胞の中でも一番下に存在する細胞層だけが細胞分裂をすることができます。分裂した表皮細胞は、細胞の性質を変化させながら、体の外側に向かって上がっていきます。そして、体の最も外側にある角層となり最後は垢となって剥がれ落ちていきます。角層になると表皮細胞は生命活動を停止し、死んでしまいます。つまり、表現はあまり良くありませんが、私達は表皮細胞の死骸に体全体を覆われていることになります。しかし、この死骸はと単なる死骸ではなくしっかりとした機能を持っている死骸です。表皮細胞が死に行くプロセスは、分化とか角化と呼ばれて非常に大切なプロセスです。このプロセスが正しく行われないと皮膚が乾燥したり、外からの刺激に対して敏感になったりします。アトピー性皮膚炎もこのプロセスが正しく行われないことが一つの原因とかんがえられています。さて、この表皮細胞の死骸は角層細胞と呼ばれますが、角層細胞はセロハンテープを使って簡単に採取することができます。皮膚にセロハンテープを貼り付けてはがすと、接着面が白く濁ります。これは、角層細胞がセロハンテープに接着して白く見えています。この角層細胞を顕微鏡で観察すると敷石Masaki2015_2のようにきれいに一枚の層で剥がれている部分とそのすぐ横に何層も積み重なって剥がれている部分が混在しています。皮膚にはこの角層細胞を剥がして垢として排出する機能が備わっていますが、どうも表皮細胞には個性があるようで、同じ人の同じ部位の皮膚をみても剥がれかたに違いがあります。何層も積み重なって剥がれている状態は皮膚の状態が悪いとか乾燥しているときによく見られます。しかし、なぜ、このような表皮細胞に個性が出るのでしょうか。理由ははっきりとはわかりません。すべての表皮細胞の状態がシンクロナイズしていることが理想的な状態であるなら、なぜ、同じ人の同じ部位の皮膚で個性が出るのか非常に興味があります。解明したいと思いませんか。

正木 仁

2014年度のバイオニクス専攻修士課程の優秀研究

バイオ・情報メディア研究科バイオニクス専攻の修士課程の優秀研究が決まりました。今日の優秀研究審査会において、以下の2件の修士研究が選ばれました。おめでとうございます。 1位の藤本さんは、バイオニクス専攻の代表として卒業式で修了証書を受け取ります。また、優秀者は卒業記念パーティーで専攻長から賞状と記念品が授与されます。

1位:藤本和宏さん「ペプチドアプタマーを用いたステント材生体機能化表面の構築」

2位:永瀬 翠さん「病態における酸化ストレスの評価:ALSあるいは心肺停止患者に対するエダラボンあるいは低体温療法の効果」

2014年度の応用生物学部優秀卒業研究が決定しました

応用生物学部では、毎年、卒業研究の中から特に優秀な研究を行なった学生を表彰しています。今年度は、各コースごとの審査会で選ばれた8名がさらに優秀研究審査会で発表して、全教員の投票により3件の優秀研究が選ばれました。おめでとうございます。この3名については、卒業式の後の懇親会で学部長から賞状と記念品が授与されます。

 1位:吉岡仁美(軽部・吉田研究室)次世代シークエンサーを用いたグアニン四重鎖形成配列のゲノムワイドな同定法とメチル化DNA検出法の開発

2位:柳澤結花(杉山研究室)ヒト結腸ガン細胞株HCT116における分裂抑制評価系を用いた新規shRNAの探索

3位:山崎 隼(前田・中川研究室)毛髪損傷メカニズムの解明と毛髪保護成分の開発

日本ラクトフェリン学会、第6回学術集会で学会賞を受賞いたしました

応用生物学部・生物創薬研究室の佐藤 淳です。11/8(土)につくば国際会議場で日本ラクトフェリン学会、第6回学術集会が開催されました (http://lactoferrin.jp/2014/gaiyo.html)

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  私の研究室からは5件の発表を行いました(枯れ木も山のにぎわい?)。発表者達は私を含めて前日にアルコールを供給して士気を高め?、発表に臨みました。

 

5件の発表タイトル、および発表者は以下の通りです。

 

1)発表者:大学院M1野北 武秀、タイトル:ヒトラクトフェリン/ヒト顆粒球コロニー刺激因子融合蛋白質のヒト小腸上皮様細胞Caco2への取り込みと放出(口頭発表)

 

2)発表者:大学院M1片岡 尚希、タイトル:マウス前駆脂肪細胞株(3T3-L1)に対するウシ・ヒトラクトフェリンの脂肪蓄積阻害作用(口頭発表)

 

3)発表者:大学院M1村田 大輔、タイトル:IgG Fc融合技術を応用したヒトラクトフェリンの医薬品展開(ポスター発表)

 

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4)発表者:実験講師、大島 裕太先生、タイトル:小腸上皮細胞に発現するラクトフェリン受容体(LFR)の機能解析(ポスター発表)

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5)発表者:教授、佐藤 淳、タイトル:医薬品展開を目指した修飾ラクトフェリンの開発(シンポジウム口頭発表)

 

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学会前は準備が大変で、発表者全員ちょっとお疲れモードでしたが、いざ本番になるとエンジン全開!!特に村田氏の発表は学会賞を受賞し、本当にうれしい一日となりました。

 

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 改めて学会賞受賞の発表タイトル、および発表者を記します。なお本研究は国立医薬品食品衛生研究所の多田 稔先生と石井 明子先生、および鳥取大学農学部の竹内 崇先生との共同研究による成果です。

 

タイトル:IgG Fc融合技術を応用したヒトラクトフェリンの医薬品展開

発表者:村田 大輔1)、志賀 有貴1)、大島 裕太1)、小島 由載1)、杉本 晃規1)

多田 稔2)、石井 明子2)、竹内 崇3)、佐藤 淳1)

 

1)東京工科大学大学院バイオ・情報メディア研究科、2)国立医薬品食品衛生研究所 3)鳥取大学農学部獣臨床検査学分野

 

 現在本研究の成果に基づいて、()NRLファーマと共同で、ヒトラクトフェリンFc融合タンパク質を医薬品として開発しております。共同開発に参加いただける製薬企業を探しています。ご興味ある製薬企業の方は佐藤 淳 (atsato@stf.teu.ac.jp) までご連絡ください。 

今後、応用生物学部には医薬品コースを設立する予定です。創薬や医薬品開発全般に興味のある高校生は是非チェックください。生物創薬研究室では大学発の医薬品開発を目指して、企業と共同で日夜研究に励んでいます。来れ希望にあふれた高校生たち!!

                                

                                                 以上

大学院生の国際学会デビュー

  106日から11日にかけてイタリア、ローマで開催された国際ラクトフェリン学会に、大学院M2の志賀有貴さんと一緒に参加してきました。我々の研究室ではミルクに含まれる多機能性タンパク質であるラクトフェリンに着目して、その医薬品化を企業と共同で研究しています。今回の学会では、体内での安定性向上に成功したラクトフェリンIgG Fc融合タンパク質の発表を行い、国内外のラクトフェリン研究者と議論するのが目的です。志賀さんは、国際学会での発表はもちろんのこと、海外渡航は初めてという事で、少し緊張していたようですが・・・・今回の学会参加では英語の重要さを再認識したようです。今後は、この経験をこれから進学する大学院博士課程で活かしてくれる事でしょう。

Shiga

国際ラクトフェリン学会は2年に一度開催されます。再来年は名古屋での開催が決まりました。次回は一人でも多くの研究室メンバーが発表できるよう期待しています。        生物創薬研究室  佐藤 淳

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