トウモロコシヒゲ研究がNHKあさイチで紹介
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花粉症等のアレルギー疾患は近年爆発的に増加しており、社会問題になっています。当研究室ではアレルギー等の免疫疾患の予防に有効な機能性食品についての研究を行っています。
先日、NHKのあさイチという番組で、トウモロコシのヒゲのアレルギー予防効果について紹介されました。トウモロコシのヒゲは、雌しべの柱頭と子房との間の部分である花柱のことで、コーンシルク、南蛮毛という呼び名で古くから漢方薬として消費されてきました。我々は、このヒゲにアレルギーを予防する効果が有ることを発見しました。ヒト単球様細胞にヒゲの抽出液を添加すると、インターロイキン12というサイトカインが大量に分泌されることを見出したのです。インターロイキン12の分泌がなぜアレルギー予防に繋がるかと言うと、インターロイキン12はアレルギーを増悪させるサイトカインであるインターロイキン4の産生を抑制するからです。
ヒゲは確かにインターロイキン12を誘導しますが、本当にアレルギーを予防できるのでしょうか?そこで、アトピー性皮膚炎を発症しやすいマウスにこのヒゲを食べさせて効果を試してみたのです。その結果、写真に示すようにヒゲを食べたマウスの皮膚炎はほとんど発症しませんでしたが、普通の餌を食べさせた対照マウスは、皮膚炎が発症しました。この結果をまとめたのがグラフです。食べさせた餌中のヒゲの量に従って皮膚炎のスコアーが小さいことが判ります。最近、乳酸菌がアレルギー予防に良いと宣伝されていますが、グラフの中の乳酸菌は我々が見つけた最も強い効果のある乳酸菌ですが、これよりも強く、ヒゲを食べたマウスの皮膚炎スコアーが低いことが判ります。
この様にトウモロコシヒゲにはアトピー性皮膚炎などのアレルギーを予防する成分が含まれていることが確認できたのです。現在はどの様な成分が関与するかを研究しています。活性成分の構造や、どのようなメカニズムでインターロイキン12を誘導できるのかなど、調べることはまだまだ沢山あります。高校生の皆さんは是非本学に入学して、当研究室でアレルギーを抑制する食品の研究をして下さい。
応用生物学部 免疫食品機能学研究室 今井伸二郎