必需品:消毒用アルコール
| 固定リンク 投稿者: 応用生物学部スタッフ
今年は1月から新型コロナウイルス感染症の話題で持ちきりの1年でした。この1年の間にみなさんにとって身近になったものに「消毒用アルコール」があると思います。外から家に帰ってきたとき、商業施設に行ったときは常にアルコール消毒をしたはずです。今は街のいたるところに消毒用アルコールを見ることができます。
このように脚光を浴びた消毒用アルコールですが、微生物の研究をしている私にとっては学生時代から欠かせないものでした。というのも、微生物を取り扱う時は、いつも約70%に薄めたアルコールを手の先から肘まで吹きかけてから実験操作を行うからです(消毒効果が65~80%の濃度が一番高いためです。ケチっているわけではありません)。そのため、微生物の研究を行っている研究室では「いかに安価に消毒用アルコールを手に入れるか」が経済的に大きな問題となっています。
その経済的問題が新型コロナウイルス感染症によって深刻になりました。消毒用アルコールの値段に人一番敏感な私による、この1年のアルコール価格変動の観察結果を報告します。まず、1月は18Lで5000円くらいでした。しかし、2月ごろ新聞紙上にコロナウイルスの名前が出始めると急に品切れの文字がでました。3月になると通常の購入をあきらめた私はオークションサイトに走りました。そこでは数万円の表示がありました。購入断念。最高値は5月ごろの約5万円だった記憶があります。そのころは酒類製造会社がアルコールを売っていました。その後、市場にアルコールが出回り、2万5千円くらいから購入を検討、6月半ばに14500円で購入しました。そして10月には7250円で購入した記録が残っています。その後はその価格で相場は安定しています。私の心と研究室予算への不安が落ち着きました。まさかまさかのこの経験、早くコロナ禍が収まることを願っています。
西野智彦