「めんどくさい」に加える2文字の効果
| 固定リンク 投稿者: 応用生物学部スタッフ
研究室は片柳研究所棟という立派なビルの5階にあります。そこは富士山も拝める見晴らしの良い場所です。普段はエレベーターを使うので、5階まで行くのに要する時間はたったの13秒です。でも実は急いでなければ階段を利用します。比較すると約6倍の時間が必要で1分11秒かかりますが、歩いて上ることも嫌いではないのです。
その階段は非常用ということで必要最小限の機能に限られ、珍しいことなど何もないですが、ふと気になったので写真を撮りました。「非常口」を示す道案内の掲示です。各階には廊下と非常階段を接続する扉があって常に開いているのですが、同じ扉を廊下側からと階段側からの見え方を両方チェックしました。わかると思いますが、廊下を歩いて掲示がないのは1階だけです。逆に階段を歩いて掲示に遭遇するのは1階だけです。些細なことですが、非常階段を歩き上ったり下ったりして気づいた内容が、非常時の行動に役立ちそうです。階段を下って逃げる時に各階に扉がありますが、「地上に出られる屋外への扉はこのマークがある階だけ」という具合です。
実は、私は歩くことに限らず嫌いなものはほぼないです。苦手なものはありますが、嫌いではないのです。嫌いを少なくしたほうが楽しいし、発見がある。15年以上前からそんなふうに思っています。きっかけは卒業研究を指導したある男子学生の発言でした。「めんどくさい」という言葉があります。この言葉ですが、そのように発声するとほんとにそんな気持ちになります。いやな気持になります。ネガティブな行動になります。そこで、そういう時に言葉に2文字付け足して「めんどくさクナい」と修正するのです。どういうわけか効果があるのですね。ポジティブな気持になって、何かを得ることが予期せずあったりします。この2文字ではありませんが、応用しています。「大変だ」→「大変でない」。「時間がない」→「時間は作る」。
現在、私が気になっていることの一つは、がん細胞の死につながる活性酸素種という細胞を錆(さ)びさせる物質の効果についてです。がん治療に役立つ新しい技術の開発に貢献するとワクワクしています。研究は様々な検討と時間がかかりますが、携わっている大学院生らと協力して報告することを目標にしています。
応用生物学部 杉山