着任のご挨拶(新任助教 伊澤千尋)
| 固定リンク 投稿者: 応用生物学部スタッフ
皆さん、はじめまして
10月から、応用生物学部の先端化粧品コース、化粧品材料化学研究室の助教になりました、伊澤千尋です。
これまでは、光触媒などの無機材料を中心に研究してきました。
光触媒とは、光を使って酸化還元反応を起こすもので、一番有名な物質は酸化チタン(TiO2)かと思います。最近では、防汚や抗菌などの目的で様々な製品に光触媒コーティングとして酸化チタンが利用されているのを目にします。また、中学・高校の教科書にも光触媒が掲載されるようになったので、聞いたことがある方も多いと思います。
「無機材料」や「光触媒」と聞くと、化粧品とはだいぶかけ離れた存在のような印象をもたれるかもしれません。しかし、光触媒として有名な酸化チタンは、化粧品では白色顔料として多く使われています。身の回りの化粧品の成分表示を見てもらえればわかると思いますが、私が持っているファンデーションやアイシャドウ、チーク、コントロールカラー、日焼け止め などなど…様々なメイク用化粧品に「酸化チタン」が配合されていました。
酸化チタンを光触媒として用いる場合は、効率よく反応させることを目指して研究を進めていきます。一方、酸化チタンを化粧品に用いる場合は、肌への付き方や、光の反射の仕方を改善することを目指していきます。これらの機能は、形状によって変化するので、形状をコントロールすることが、機能の向上につながります。
これまで私は、合成法を工夫することで、光触媒の形状をコントロールする研究をしてきました。これからはその知識を活かして、化粧品に用いられる材料について、形や大きさなどの形状をコントロールし、機能の向上を目指したいと思っています。いつかブログで「こんな新しい化粧品材料を作りました!!」と報告ができるよう頑張って研究していきます。