抗生物質の実験
| 固定リンク 投稿者: 応用生物学部スタッフ
抗生物質とは「ある微生物が生産する物質で、他の微生物の増殖を抑える物質」と定義されている物質です。みなさんも風邪などの病気になった時にお世話になっているかもしれません。
抗生物質はイギリスのフレミングによって発見され、1945年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。その後、日本の大村智さんも抗生物質に関する一連の研究成果を評価されて2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
今、応用生物学部の2年生は、抗生物質が大腸菌の増殖を抑えることを確認する学生実験を行っています。抗生物質を丸い紙にしみ込ませ、大腸菌を塗った培地の上に置きます。その状態で37℃に保ち、一晩培養すると紙の周囲だけ大腸菌が生えない様子が観察されます。写真の白い丸は抗生物質を含んだ紙です。大腸菌が一面に増殖していますが、紙の周辺は何も生えず透明です。この菌が生えていない部分は阻止円(ハロー)とよばれ、抗生物質の濃度が高くなるとハローの直径も大きくなります。
現在担当している学生実験では、この他にも顕微鏡で大腸菌や納豆菌を見たり、大腸菌と納豆菌の耐熱性や紫外線耐性を比較したりする実験を行っています。
このような実験をすることで、将来、医薬品開発や食品製造を行う仕事に就くきっかけになってくたらと考えています。