化粧品がなぜ応用生物学部?
| 固定リンク 投稿者: 応用生物学部スタッフ
高校生の皆さんは、大学を卒業したらどんな仕事や業界に就きたいか考えて志望大学や学部を決めると思います。では、化粧品業界に入りたい人は、どこに進学したら良いのか?その答は、東京工科大学の応用生物学部です。日本で最初に化粧品に特化して立ち上がった先端化粧品コースがあります。
先端化粧品コースは知る人ぞ知る化粧品業界への入口で、強い指向性を持った受験生が沢山進学してきます。企業からの注目度も高く毎年夏に主催する先端化粧品科学シンポジウムには、ありがたいことに百社を超える化粧品関連企業の参加をいただいています。化粧品業界は、大手企業も中小企業も共に仲良く支えあっている業界です。卒業生の多くはこれらの会社に就職します。そして違う業界に就職する人も化粧品を勉強したことに満足して卒業していきます。
大学は勉強し研究するところですから、講義としては基礎科目に加え化粧品分野の専門科目を沢山学びます。研究としては、メーキャップ素材、ヘアカラーや印象などの研究もありますが、最近注目度の高い、肌に優しい基礎化粧品、肌トラブルの解決を助ける薬用化粧品、養毛や抑毛に使える化粧品素材、肌の光老化などの研究も行っています。この肌や毛髪の研究は、一つ踏み込むと実は、細胞の研究なのです。毛髪を作りだす毛包や肌を構成する表皮や真皮は、複数の種類の細胞が沢山集まって成り立つ小さな世界(小器官)であり、その健康状態を保つのも環境ストレスでやられるのも、細胞なのです。そして、皆さんには意外かもしれませんが、表皮にも毛髪にも幹細胞があります。幹細胞というと多能性幹細胞やそれを使った再生医療をイメージする人が多いのですが、実は健康な肌や髪の毛も幹細胞が支えているのです。そしてもっと話を拡げるなら、幹細胞の研究は、がんという病気の治療にもつながるのです。というわけで、化粧品の研究を応用生物学部でしている理由がわかると思います。
私の研究室では主に、基礎化粧品や薬用化粧品の新たな成分と細胞に対する作用について研究していますが、上のような理由で、がん細胞に抗がん剤がもっと良く効くようにするための研究も行っています。この研究を行っている当研究室の松本展希君が、最近、日本薬学会関東支部大会での研究発表で優秀ポスター発表賞を受賞して、やる気爆発中です。冒頭の写真は紅華祭(学園祭)での様子です(右端のシスターが松本君)。