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はじめまして

皆さん、はじめまして。岡田麻衣子です。今年の2月より矢野研究室の助教に着任致しました。新人とはいっても、昨年は実験講師として食品コースや化粧品コースの実習に参加させていただいておりました。それを縁に今でも声をかけてくれる学生さんが沢山いて、大変嬉しいことです。大学では講義や実習で学生の皆さんと交流することが多いと思いますが、ぜひ通りすがりにもお気軽に声をかけてもらえると嬉しいです。

そんな私の研究室以外の生息地は、主にフードコート前の庭園になっております。たまにその周辺の白黒ハチワレ模様のネコがいて、そのネコを眺めるのにはまっております。まったく懐いてもらえず、ツンデレのツンしかありませんがそれまたネコの魅力なので仕方がないでしょう。気が向いたら写真を撮ったりしています。下の写真は昨年の秋頃のものす。工科大は花や木々が季節ごとに移り変わるので、それも楽しみの一つですね。

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さて、研究はというと私は乳がんの研究をしております。女性では11人に1人が乳がんになる可能性があります。この数は少ないと思いますか?それとも多いと思いますか?実は女性がかかるがんの中でNO.1というとても身近ながんなのです。乳がんが発生する仕組みや増殖する仕組み、そして治療する仕組みの鍵となっているのが『女性ホルモン』である“エストロゲン”とその作用の実行部隊である “エストロゲン受容体”というタンパク質です。

このような女性ホルモンは、元来はもちろん身体に良い働きをしています。例えば、子宮や乳腺などにおいて妊娠・出産に必要な身体の発達を促すのは代表的なエストロゲンの作用ですね。また、多くの女性が加齢によりエストロゲンが少なくなると、骨粗鬆症になることが知られています。これはエストロゲンには骨増強作用があるためです。では、このような身体に大切な作用をもたらすエストロゲンが、なぜ乳がんのリスクとなる諸刃の剣となるのでしょうか?

この謎を解き明かすためにエストロゲンの指令を実行するエストロゲン受容体の働きを研究しています。働き、といってもエストロゲン受容体のみを調べるわけではありません。例えば、会社ではプロジェクトに応じたメンバーでグループワークをすることがありますよね。また、みなさんが行う実習などでも、時にはグループ内で役割分担をすることがあるでしょう。細胞内ではヒトの社会 と同じように、何か機能を効率良く発揮する際に、目的に見合ったタンパク質群がグループ(複合体)を形成し、役割分担をしながら協調的に働くことがままあります。時には専門的な役割をもつタンパク質を招きいれて、臨機応変さを兼ね備えます。

エストロゲン受容体もタンパク質ですから、例外ではありません。エストロゲンからの指令を受け取ったエストロゲン受容体も、各々固有の機能をもったタンパク質群と 目的に見合った複合体を形成して活躍していると言われています。ですので、先にお話したエストロゲンの諸刃の剣となる作用を解明するに、正常な細胞やがん細胞あるいはがん細胞の種類で、エストロゲンと一緒に働くはタンパク質がどのように変化するのか?変化するとエストロゲンの指令はどのように実行されてしまうのか?ということを明らかにしたいと考えています。おそらくがん細胞ではまだ発見されていない、新しいエストロゲン受容体のパートナータンパク質や役割があるのではないでしょうか。そのようなタンパク質を発見して、がんをはじめとする疾患の新たな分子治療薬の開発に貢献していきたいと考えています。

こんなにエストロゲン受容体の話ばかりして何ですが、エストロゲン受容体と似たような構造をもつ受容体がヒトでは48種類ありそれぞれに対応する生理作用や疾患が存在します。男性ホルモン受容体もその一つですね。エストロゲン受容体の仕組みを知ることで、これらの多くの受容体に関わる生理作用や疾患の解明にも応用しながら研究を進めています。

随分と漠然な内容をお話しましたが、乳がんにおけるエストロゲン受容体の働きについて、具体的には『転写制御機構 』といったゲノム情報を“選択”する仕組みや、『DNA修復機構』といったゲノム情報を“維持”する仕組み、いずれの制御にも密に関わる『タンパク質分解制御機構』に着目して研究を進めています。もし興味があればお気軽にお声かけ下さいね。

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