はじめまして、野嶽勇一です。
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はじめまして、野嶽勇一です。この度、生化学研究室の教授として着任しました。趣味は似顔絵、野球、ドラマ視聴、東スポ購読、ビール、カラオケ(ジャニーズ系)です。苦手なものは、虫とミッキーのTシャツです。好きな食べ物は、ハンバーグとからあげクンチーズです。最近、焼売が好きなことに気付きました。やはりヨコハマの血が流れている…。
さて、大きな魅力でいっぱいの小さな世界に関するお話を少々。私たちの身体には数多くの細菌が生息していることを知っていますか?これらの細菌は「常在菌」と呼ばれ、私たちの健康状態に深く関わっています。常在菌の中でも特に有名なのが、腸に1,000兆個以上も存在している「腸内細菌」です。腸内細菌の中には乳酸菌やビフィズス菌のように、腸内の環境を整えるはたらきをもつ、いわゆる「善玉菌」がいます。これらの善玉菌は免疫力を高めたり、コレステロールを減らしたりすることにもパワーを発揮して、私たちを支えてくれています。生きた善玉菌を含むプロバイオティクス(ヨーグルトなどの発酵食品)やプレバイオティクス(食物繊維やオリゴ糖等)を食べる機会を増やしていきたいですね!
最近では、皮膚に生息する「皮膚常在菌」の存在も注目されています。皮膚常在菌の中にも、皮膚の健康状態に貢献する心強い善玉菌がいるのです。表皮ブドウ球菌です! 表皮ブドウ球菌(画像)は古くなった皮脂を、皮膚に潤いを与えたり肌荒れを防いでくれたりする物質に変えてくれます。表皮ブドウ球菌には「美肌菌」というニックネームが付けられているように、まさに「天然のスキンケアクリーム」を作ってくれるのです。艶やかで健康的な肌づくりのために、美肌菌にも注目してみましょう!
このように、おなかやお肌の状態を改善する上で、常在菌と善玉菌の関係は大変重要です。私は善玉菌が示す有用作用を解析し、そのパワーを活用して常在菌全体を好ましい状態に改善するための食品研究やスキンケア研究に挑戦しています!これまでに、乳酸菌が産生する物質がガン細胞の増殖や肝障害の進行を抑制することを見出しました。また、脂質代謝や薄毛、アレルギーに対する有効性も示しています。腸内細菌叢の制御をはじめとした作用機序の解明に関する研究成果も得ています。また、「自分の美肌菌」を「直接的に活用」した新しいスキンケア法(「美肌菌戻し法」と命名)を構築し、世界初の美肌菌化粧品の開発にも至っています。現在は、アトピー性皮膚炎に対する美肌菌の応用研究に奮闘中です。これまでに得た知見をもとに、多くの食品・飲料・化粧品メーカーとの間で製品開発を目的とした産学共同研究にも積極的に取り組んでいます。
最後に、講義・実習に対する意気込みです。生化学、食品製造学、食品実験等を担当します。「理解してもらえたら、講義は楽しくなる!」と信じています。説明に必ずひと手間かけることを自分に課して、学生の皆さんが次も受講したくなるような情熱溢れる楽しい講義にしていきたいと思っています。どうぞ宜しくお願いします!一緒に頑張りましょう!