東京工科大学 応用生物の広場東京工科大学

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2018年4月

はじめまして、野嶽勇一です。

2018/04/25 | 固定リンク

はじめまして、野嶽勇一です。この度、生化学研究室の教授として着任しました。趣味は似顔絵、野球、ドラマ視聴、東スポ購読、ビール、カラオケ(ジャニーズ系)です。苦手なものは、虫とミッキーのTシャツです。好きな食べ物は、ハンバーグとからあげクンチーズです。最近、焼売が好きなことに気付きました。やはりヨコハマの血が流れている…。

さて、大きな魅力でいっぱいの小さな世界に関するお話を少々。私たちの身体には数多くの細菌が生息していることを知っていますか?これらの細菌は「常在菌」と呼ばれ、私たちの健康状態に深く関わっています。常在菌の中でも特に有名なのが、腸に1,000兆個以上も存在している「腸内細菌」です。腸内細菌の中には乳酸菌やビフィズス菌のように、腸内の環境を整えるはたらきをもつ、いわゆる「善玉菌」がいます。これらの善玉菌は免疫力を高めたり、コレステロールを減らしたりすることにもパワーを発揮して、私たちを支えてくれています。生きた善玉菌を含むプロバイオティクス(ヨーグルトなどの発酵食品)やプレバイオティクス(食物繊維やオリゴ糖等)を食べる機会を増やしていきたいですね!

最近では、皮膚に生息する「皮膚常在菌」の存在も注目されています。皮膚常在菌の中にも、皮膚の健康状態に貢献する心強い善玉菌がいるのです。表皮ブドウ球菌です! 表皮ブドウ球菌(画像)は古くなった皮脂を、皮膚に潤いを与えたり肌荒れを防いでくれたりする物質に変えてくれます。表皮ブドウ球菌には「美肌菌」というニックネームが付けられているように、まさに「天然のスキンケアクリーム」を作ってくれるのです。艶やかで健康的な肌づくりのために、美肌菌にも注目してみましょう!

Bihadakin

このように、おなかやお肌の状態を改善する上で、常在菌と善玉菌の関係は大変重要です。私は善玉菌が示す有用作用を解析し、そのパワーを活用して常在菌全体を好ましい状態に改善するための食品研究やスキンケア研究に挑戦しています!これまでに、乳酸菌が産生する物質がガン細胞の増殖や肝障害の進行を抑制することを見出しました。また、脂質代謝や薄毛、アレルギーに対する有効性も示しています。腸内細菌叢の制御をはじめとした作用機序の解明に関する研究成果も得ています。また、「自分の美肌菌」を「直接的に活用」した新しいスキンケア法(「美肌菌戻し法」と命名)を構築し、世界初の美肌菌化粧品の開発にも至っています。現在は、アトピー性皮膚炎に対する美肌菌の応用研究に奮闘中です。これまでに得た知見をもとに、多くの食品・飲料・化粧品メーカーとの間で製品開発を目的とした産学共同研究にも積極的に取り組んでいます。

最後に、講義・実習に対する意気込みです。生化学、食品製造学、食品実験等を担当します。「理解してもらえたら、講義は楽しくなる!」と信じています。説明に必ずひと手間かけることを自分に課して、学生の皆さんが次も受講したくなるような情熱溢れる楽しい講義にしていきたいと思っています。どうぞ宜しくお願いします!一緒に頑張りましょう!

ご入学、ご進学おめでとうございます。

2018/04/17 | 固定リンク

応用生物学部応用生化学研究室の横山です。
毎年3月20日くらいから、急にあわただしくなります。在学生ガイダンス、アドバイザー面談(学生との個別面談)、入学式、新入生ガイダンス、新入生学部交流会(歓迎会)などの行事が立て続けにやってくるからです。今日は、4月6日に行いました、新入生学部交流会についてちょっと紹介します。午前の部では、2年生上位入賞グループによる調査研究課題(PBL、Project Based Learning)のプレゼンテーションのあと、応用生物学部の教員紹介を兼ねたクイズ大会を行いました。某TV局が夏に行っている高校生クイズの○✕で解答するアレです。われわれのようなオジサン世代ですと、ウルトラクイズと言った方がわかりやすいかもしれません。何問かを連続正解して勝ち残った新入生には、図書カードのプレゼントが出ますので、新入生も本気モードです。ここでちょっと出題されたクイズを紹介します。読者の皆さんも一緒に考えてみてください。

問題1(松井先生出題を改変)
新しい微生物を発見すると自分で命名することができます。例えば、掘越さんが発見した微生物には、Pyrococcus horikoshii (パイロコッカス ホリコシイ)と名付けられています。

では、問題です。東京工科大学で発見された微生物に、Sulfolobus kokadaii (スルホロバス コウカダイ)と名付けられたものがある。○か✕か?

(答えと解説は、問題3のあと。)

問題2(加藤先生出題)
京都大学の山中先生が世界に先駆けて作製したiPS細胞ですが、小文字の「i」は、「iPhone」を真似たものである。○か✕か?

(答えと解説は、問題3のあと。)

問題3(横山、昨年出題)
高尾山は八王子市内にあり、世界一登山客が多い山です(年間260万人)。下の写真(A)、(B)のうち、一方は高尾山です。

Ky3

高尾山は、 (B)である。○か✕か?

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はじめまして

2018/04/09 | 固定リンク

皆さん、はじめまして。岡田麻衣子です。今年の2月より矢野研究室の助教に着任致しました。新人とはいっても、昨年は実験講師として食品コースや化粧品コースの実習に参加させていただいておりました。それを縁に今でも声をかけてくれる学生さんが沢山いて、大変嬉しいことです。大学では講義や実習で学生の皆さんと交流することが多いと思いますが、ぜひ通りすがりにもお気軽に声をかけてもらえると嬉しいです。

そんな私の研究室以外の生息地は、主にフードコート前の庭園になっております。たまにその周辺の白黒ハチワレ模様のネコがいて、そのネコを眺めるのにはまっております。まったく懐いてもらえず、ツンデレのツンしかありませんがそれまたネコの魅力なので仕方がないでしょう。気が向いたら写真を撮ったりしています。下の写真は昨年の秋頃のものす。工科大は花や木々が季節ごとに移り変わるので、それも楽しみの一つですね。

1


さて、研究はというと私は乳がんの研究をしております。女性では11人に1人が乳がんになる可能性があります。この数は少ないと思いますか?それとも多いと思いますか?実は女性がかかるがんの中でNO.1というとても身近ながんなのです。乳がんが発生する仕組みや増殖する仕組み、そして治療する仕組みの鍵となっているのが『女性ホルモン』である“エストロゲン”とその作用の実行部隊である “エストロゲン受容体”というタンパク質です。

このような女性ホルモンは、元来はもちろん身体に良い働きをしています。例えば、子宮や乳腺などにおいて妊娠・出産に必要な身体の発達を促すのは代表的なエストロゲンの作用ですね。また、多くの女性が加齢によりエストロゲンが少なくなると、骨粗鬆症になることが知られています。これはエストロゲンには骨増強作用があるためです。では、このような身体に大切な作用をもたらすエストロゲンが、なぜ乳がんのリスクとなる諸刃の剣となるのでしょうか?

この謎を解き明かすためにエストロゲンの指令を実行するエストロゲン受容体の働きを研究しています。働き、といってもエストロゲン受容体のみを調べるわけではありません。例えば、会社ではプロジェクトに応じたメンバーでグループワークをすることがありますよね。また、みなさんが行う実習などでも、時にはグループ内で役割分担をすることがあるでしょう。細胞内ではヒトの社会 と同じように、何か機能を効率良く発揮する際に、目的に見合ったタンパク質群がグループ(複合体)を形成し、役割分担をしながら協調的に働くことがままあります。時には専門的な役割をもつタンパク質を招きいれて、臨機応変さを兼ね備えます。

エストロゲン受容体もタンパク質ですから、例外ではありません。エストロゲンからの指令を受け取ったエストロゲン受容体も、各々固有の機能をもったタンパク質群と 目的に見合った複合体を形成して活躍していると言われています。ですので、先にお話したエストロゲンの諸刃の剣となる作用を解明するに、正常な細胞やがん細胞あるいはがん細胞の種類で、エストロゲンと一緒に働くはタンパク質がどのように変化するのか?変化するとエストロゲンの指令はどのように実行されてしまうのか?ということを明らかにしたいと考えています。おそらくがん細胞ではまだ発見されていない、新しいエストロゲン受容体のパートナータンパク質や役割があるのではないでしょうか。そのようなタンパク質を発見して、がんをはじめとする疾患の新たな分子治療薬の開発に貢献していきたいと考えています。

こんなにエストロゲン受容体の話ばかりして何ですが、エストロゲン受容体と似たような構造をもつ受容体がヒトでは48種類ありそれぞれに対応する生理作用や疾患が存在します。男性ホルモン受容体もその一つですね。エストロゲン受容体の仕組みを知ることで、これらの多くの受容体に関わる生理作用や疾患の解明にも応用しながら研究を進めています。

随分と漠然な内容をお話しましたが、乳がんにおけるエストロゲン受容体の働きについて、具体的には『転写制御機構 』といったゲノム情報を“選択”する仕組みや、『DNA修復機構』といったゲノム情報を“維持”する仕組み、いずれの制御にも密に関わる『タンパク質分解制御機構』に着目して研究を進めています。もし興味があればお気軽にお声かけ下さいね。

ミライに乗った!

2018/04/02 | 固定リンク

大学を卒業すると、企業への就職、大学院への進学など様々な進路があり、それぞれに対する準備が必要になります。東京工科大学では、企業でのインターンシップに加えて、各種産業分野での企業見学を実施しています。先日、国内エネルギー企業の最大手、JXTGエネルギー中央研究所を見学させていただきました。

この会社は、ENEOSガソリンとして有名ですが、次世代エネルギー、環境関連、バイオテクノロジーまで広範囲な研究開発をしています。見学の最後に、次世代エネルギーである水素ガスを利用した燃料電池を搭載した‘ミライ’に(敷地内ですが)乗せていただきました。見学者一同(引率の私も含めて)、その静かさとスムーズな加速に大感動(!!)でした。なかなか体験できるものではありません!担当者の方には、開発のご苦労や企業の考え方など色々と教えていただきました。ありがとうございました。

就活はこれから本格的になっていきますが、参加者にはそれぞれ、感じるものがあったようです。

応用生物学部 バイオプロセス工学研究室 松井徹

Mirai

ミライ!!

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