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そのダイエット番組の結果で、本当にそのダイエット法に効果があると言ってよいのか?

今回は、効果があるかどうかをどう判定するという話について書きたいと思います。例えば、医薬品の開発などの研究では、その医薬品に効果があるかどうか確認するために実験を行います。この実験結果を種々の統計学的な手法を用いて解析することで、薬を使わなかった場合に比べて効果があるかどうかを判定します。統計学的手法の基本的な考え方は、薬を使ったときの変化が、偶然のバラツキに対して、明らかに差があるかどうかを判定するということになります。

 

 ここで、ダイエット番組で、3人のモニターがそのダイエット法を実施して、体重の変化が次のようになったとします。

 Aさん 実施前 75.0 kg  実施後 72.0 kg

 Bさん 実施前 83.0 kg → 実施後 80.0 kg

 Cさん 実施前 65.0 kg → 実施後 64.5 kg

 

 この結果を見ると、全員の体重が減っているので、効果があったような気になりますが、統計学的に見るとどうなるでしょうか? そこで、“対応のある平均値の検定法(対応のあるt検定)”を用いて、解析してみると、p値:0.12という結果が得られます。これは、このダイエット法を実施しなくても12%の確率で、つまり、10回実験すると1回くらいはこのような結果が得られるということを意味しています。

 

 統計学の考えでは、少なくともp値が0.05未満、すなわち、20回やっても偶然では1度も起きなきくらいの結果でないと効果があるとは認めないということになっていますので、この結果では、このダイエット法に効果があるとまでは断定できないということになります。 効果があるかどうかをはっきりさせるためには、人数を増やして、実験の精度を上げることが必要になってきます。

 

 科学的に物事を判断するためには、得られた数値を直観的に判断するのではなく、きちんと統計学的な検証を行うことが重要といえます。ダイエット法の番組もこのような視点で見ると、安易にまねをしなくなるかもしれません。

 

応用生物学部 村松

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