大学で化粧品の勉強をするということ
| 固定リンク 投稿者: 応用生物学部スタッフ
本学の応用生物学部には、先端化粧品コースという、全国でも珍しい化粧品の最先端を勉強するためのコースが設置されています。このコースに進学してくる学生さんは、将来、化粧品業界や美容業界などで働きたいと考えている人が多く、専門講義や学生実験、そして卒業研究でも現在化粧品分野で最先端のトピックスを勉強します。そして多くの卒業生は実際に化粧品企業や関連業種に就職して、研究、企画、開発、製造、品質管理、営業と様々な仕事をしています。
化粧品の勉強って何があるの?と思うかもしれませんが、実はそうとう間口の広いことを学生は学んでいます。様々な新素材の開発や評価、その基盤となる皮膚や毛髪の生物学に関する分子生物、生化学、細胞研究、日焼けによる障害を防ぐ抗酸化物質などの研究、化粧品の処方研究、髪の色や顔の皮膚を美しく感じさせる心理学的研究など、多面的な視点があります。
昨日(5月31日)から3日間、CITE Japan 2017という化粧品産業技術展がパシフィコ横浜の大展示場で盛大に開催されていて、私も参加してきました。化粧品に使う新たな乳化剤やきれいな容器やパフ、新しい皮膚計測の機器まで、多くの新製品が展示されている中に、私の研究室で行っている研究に近い、皮膚や髪の細胞の活性を調節する作用をもつ化粧品素材なども出展されており(写真)、会場は初日だけでも6千人程(事務局調べ)の人たちの熱気に包まれていました。
皆さんは大手薬局チェーン店などで毎月いくら買い物をしていますか?そのうち何パーセントが「医薬品」ですか?医薬品以外のものは、実はかなりの割合が化粧品と分類される製品です。従って、この産業界は相当大きなマーケットをもっていることがわかります。将来自分がどんな仕事をしているかイメージできない人は、就職先の候補として、考えてみても良いかもしれませんね。
細胞制御研究室 今村 亨