温泉合宿で卒業論文審査会にそなえる
| 固定リンク 投稿者: 応用生物学部スタッフ
応用生物学部・教授の浦瀬です。
水環境工学研究室では,その卒業生の半数くらいが,浄水場や下水処理場の運転管理の仕事や環境監視のための水質や大気の分析の仕事に就いています。顕微鏡を覗き,フラスコを振っているバイオ系のイメージとは少し違う業界ですが,専門を生かせる職業です。ここ数年は,景気がよいためもあり,私たちの研究室では,大学院進学者を除いた就職希望者の100%の就職が決まっています。
そんな就職,そして,卒業の前には,卒業論文をまとめないといけません。卒業論文には審査会があり,そこでは,卒業論文の内容を,ひとりひとりが,パワーポイント(発表のためのパソコンソフト)を使って7分間で発表します。1年かけた研究ですから,7分では話しきれないほどのデータをどうやって話せばよいのか迷う人もいれば,ひたすら,どうやって,7分間耐えるかについて作戦を立てる人もいます。そんな作戦を立てるくらいなら,もっと研究を頑張ればよかったのに・・。
ここ数年は,審査会での発表の事前練習のために,研究室単位で合宿を1月下旬から2月上旬に実施しています。2016年は群馬の草津温泉,2017年は箱根小涌谷へ行きました。他の研究室の人たちが,発表練習のために大学で頑張っているところで,こちらは温泉というのも,なかなか優雅です。もちろん,温泉を楽しむだけではなく,ていねいな発表指導もしたつもりです。
ところで,我々が昨年泊まった草津温泉のpHって,どのくらいか,みなさん知っているでしょうか。実は,pHが2くらいの強い酸性です。一方,箱根は,「加水して,加温して,循環して,消毒して」という宿が多いようです(これはあくまで,一般論であって,宿によって風呂の方式は異なり,また,冬の箱根の静かな自然は魅力的で,源泉かけ流しのみに価値があるとは思わない)。さらに,「循環して,消毒して」のための水処理の会社もわたしたちの研究室の大事な就職先です。今年は,研究室の卒業生のうち,2名がこうした温浴施設の水質管理の企業に就職しました。生物や化学の知識は風呂にも生きています。
さらに詳しくは,水環境工学研究室のウェブサイトもご覧ください。
浦瀬太郎