高校生とカブトムシ
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高校生とカブトムシ
7月9日(土)に、東京ビッグサイトで行われた夢ナビライブの講義ライブに参加して来ました。この夢ナビライブは、大学での学びを高校生に理解してもらうことを目的としていて、模擬講義、大学説明会など多くのイベントが開催されます。当日は生憎の小雨でしたが、会場である東京ビッグサイトには多くの高校生の姿があり、会場内はまさにラッシュアワーさながらの混雑ぶりでした。日頃のややお疲れモードも一気に吹っ飛び、久々に?気合いの入った講義“生物工学の視点から、医薬品を作る!” を30分間行って参りました。内容としては、高校生にはちょっと難しい?と思われる”バイオ医薬品“についてのお話しでしたが、立ち見まで出て、本人としては、充実感を感じて無事講義を終えることができました。
講義ライブに先立ち、web上では講義サイトが立ち上がっています。そこには、”先生の学問のきっかけ“という項目があり 、幼少時代の昆虫採取好きエピソードが載っています。取材時にそのようなことをお話した記憶はあるのですが(取材を受けた時から時間が経っているため、本人は忘れていました)、確かに、今の創薬研究に足を踏み入れたのは、あの頃のカブトムシやクワガタがベースにあるような気がします。なかなか手に入れることができないカブトムシやクワガタを探し求めて(出身が横浜なもので、その辺りではなかなか見つからないのですよ・・・・)、やっと見つけることができた感覚は、作業仮説を元に実験を行い、納得できる結果が得られた時の喜びに似ているような気がします。
実は、この昆虫採取の感覚を久々で思い起こすことができました。夢ナビライブの前日 (21時半くらいだったと思います)、細胞培養をしようと準備していると、研究室の4年生と院生の4人が懐中電灯片手に集まっています。聞くと、これからカブトムシ取りに行くというのです。面白そうなので、細胞培養は後にして、彼らについていきました。小雨が一時的にあがった曇り空のもと、片柳研究所のすぐ裏手の雑木林に入っていくと、彼らは慣れているようで、次々と木をチェックしていきます。すぐ手前にある樹の根元には、オスのカブトムシが1匹隠れていました。すぐに、天然のカブトムシを見つけた時の幼少時の興奮が蘇りました。すっかり気を良くした一団は、さらに建物の逆側に位置する遊歩道にも遠征し、メスのカブトムシ1匹、小クワガタ4匹を追加したのでありました。自然いっぱいの八王子キャンパスの中での、私の研究の原点とも言える?、幼少時代の夏休みを思い起こさせる貴重な体験でした。
医薬品コース、生物創薬研究室、佐藤 淳