免疫食品機能学研究室(今井研 先端食品コース)紹介
| 固定リンク 投稿者: 応用生物学部スタッフ
みなさん、こんにちは。応用生物学部の今井と申します。初めての投稿になりますが宜しくお願いします。
私は、2014年、9月に本学応用生物学部教授に着任しました。これまでに行ってきた研究、現在行っている研究について、みなさんに紹介したいと思います。
私の研究室では、主に免疫と老化に焦点をあてた、機能性食品についての研究を行っています。
これまで行ってきた研究は静岡県立大学という大学で行ってきました。ここでの研究も現在と同じように、新しい機能性食品を見つけ出す研究でした。
花粉症などのアレルギー疾患は近年爆発的に増加しており、社会問題になっています。そこで、アレルギーに有効な食品を探す目的で、たくさんの候補食品を試し、青大豆という大豆の抽出物に花粉症を予防する効果があることを見出しました。
皆さんは青大豆をご存知でしょうか?普通の大豆は完熟するとクリーム色ですが、青大豆は名前のとおり完熟しても枝豆のときと同じように青(緑)色をしています。関東、関西地方ではあまりなじみがありませんが、東北地方や新潟などでは浸し豆として、好んで食べられています。甘みも強く、調理してもとても美味しい大豆です。
この大豆を花粉症のヒトに、花粉が飛ぶ2週間前から一日3gほど毎日食べてもらいました。そうすると、食べるのを途中でやめてしまったヒト達に比べ、花粉症の症状が抑えられていました。この効果は花粉症に有効と言われている有名な、べにふうきと言うお茶の効果より強いものでした。
本学で現在進めている研究は、やはりアレルギーに効果のある食品の研究です。トウモロコシのヒゲにはアレルギーを予防する強い効果が有ることを発見し、現在はどの様な成分が関与するかを研究しています。最近ようやく成分の精製が終了し、現在その構造を分析しています。
トウモロコシのヒゲのほかに、加賀の伝統野菜である金時草(下図)という野菜の研究もしています。金時草は写真の様に、表側が緑色、裏側が紫色の葉っぱを食用にします。天ぷらやおひたしにして食べますが、オクラのようにねばりけのある野菜です。この金時草のねばりけ成分にアレルギーを予防する機能があり、この成分と乳酸菌を組合せると更に強く効果が現れます。この組み合わせがどのようにアレルギーを抑制するかについて研究を進めています。
老化についての研究では、小麦の外皮に含まれる成分で研究を行っています。この成分はショウジョウバエを用いた実験から、寿命を延長することが確認されています。マウスを用いた実験では、肥満などのメタボリックシンドロームにも強い効果が有ることを発見しました、現在この研究を更に進めています。
以上、少し話が難しくなってしまったかもしれませんが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また別の機会に投稿できましたらその時も是非読んでください。
東京工科大学 応用生物学部
応用生化学研究室 教授 今井伸二郎