横山研究室(生命科学・環境コース)
| 固定リンク 投稿者: 応用生物学部スタッフ
みなさん、こんにちは。応用生物学部の横山です。初めての投稿になります。
私は、昨年(2015年)5月に東京工科大学応用生物学部教授に着任しました。これまでに行ってきた研究、現在およびこれから行う研究について、みなさんに紹介したいと思います。
私の研究室では、主に次世代のヘルスケアに貢献できる技術について、研究を行っています。
これまでに、がんを見つけるマーカー候補となるような病気に関係するタンパク質を高速全自動で検出し、解析するシステムの開発を行ってきました。ちょっと聞き慣れない名前で言いますと、二次元電気泳動システムです。我々が開発したシステムを使えば、これまで丸一日、手作業で行っていたタンパク質の分離・検出が、なんとフルオート、1時間半程度でできます。この研究成果は、現在、共同研究先の民間企業から販売され、多くの研究者に利用されています。もっと詳しく知りたい人は、以下の製品のサイトを見て下さい。
また、糖尿病患者が、自分の血糖値を測定するために利用する血糖値センサーに関する研究を行っています。その中でも特に、酵素の研究を行っています。現在血糖値センサーに使用されている酵素は、安定性に問題があります。そこで我々は、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で、熱いところで生育できるカビから、耐熱性があり、長期安定な酵素を世界で初めて発見しました。現在、この酵素を遺伝子組換え技術を使って改良する研究を行っています。すぐ近い未来には、改良した酵素を血糖値センサーに利用することになると思います。
本学に着任してから始めた研究についても紹介します。
本学蒲田キャンパスにある医療保健学部臨床工学科と共同で、血液透析装置の高性能化に関する研究を行っています。現在、慢性的に血液透析を必要とする方々が、わが国だけでも30万人以上います。血液透析は、血液中の必要なものを残しながら、不要なものを排出するために行います。しかし、必要なタンパク質、栄養分まで排出してしまうことがあります。そこで、血液成分を透析時にリアルタイムで表示し、必要な血液成分を維持するシステムの開発を行っています。
バイオマスの有効利用に関する研究にも着手しています。八王子市近隣から排出される剪定枝を原材料とし、これを燃料化する研究です。特に利用が難しい、リグニンという成分に注目しています。
以上、ちょっと話が長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
東京工科大学 応用生物学部
応用生化学研究室 教授
横山憲二