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2016年2月

免疫食品機能学研究室(今井研 先端食品コース)紹介

2016/02/29 | 固定リンク

みなさん、こんにちは。応用生物学部の今井と申します。初めての投稿になりますが宜しくお願いします。

私は、2014年、9月に本学応用生物学部教授に着任しました。これまでに行ってきた研究、現在行っている研究について、みなさんに紹介したいと思います。

私の研究室では、主に免疫と老化に焦点をあてた、機能性食品についての研究を行っています。

これまで行ってきた研究は静岡県立大学という大学で行ってきました。ここでの研究も現在と同じように、新しい機能性食品を見つけ出す研究でした。

花粉症などのアレルギー疾患は近年爆発的に増加しており、社会問題になっています。そこで、アレルギーに有効な食品を探す目的で、たくさんの候補食品を試し、青大豆という大豆の抽出物に花粉症を予防する効果があることを見出しました。

皆さんは青大豆をご存知でしょうか?普通の大豆は完熟するとクリーム色ですが、青大豆は名前のとおり完熟しても枝豆のときと同じように青(緑)色をしています。関東、関西地方ではあまりなじみがありませんが、東北地方や新潟などでは浸し豆として、好んで食べられています。甘みも強く、調理してもとても美味しい大豆です。

この大豆を花粉症のヒトに、花粉が飛ぶ2週間前から一日3gほど毎日食べてもらいました。そうすると、食べるのを途中でやめてしまったヒト達に比べ、花粉症の症状が抑えられていました。この効果は花粉症に有効と言われている有名な、べにふうきと言うお茶の効果より強いものでした。

本学で現在進めている研究は、やはりアレルギーに効果のある食品の研究です。トウモロコシのヒゲにはアレルギーを予防する強い効果が有ることを発見し、現在はどの様な成分が関与するかを研究しています。最近ようやく成分の精製が終了し、現在その構造を分析しています。

トウモロコシのヒゲのほかに、加賀の伝統野菜である金時草(下図)という野菜の研究もしています。金時草は写真の様に、表側が緑色、裏側が紫色の葉っぱを食用にします。天ぷらやおひたしにして食べますが、オクラのようにねばりけのある野菜です。この金時草のねばりけ成分にアレルギーを予防する機能があり、この成分と乳酸菌を組合せると更に強く効果が現れます。この組み合わせがどのようにアレルギーを抑制するかについて研究を進めています。

Photo

金時草

老化についての研究では、小麦の外皮に含まれる成分で研究を行っています。この成分はショウジョウバエを用いた実験から、寿命を延長することが確認されています。マウスを用いた実験では、肥満などのメタボリックシンドロームにも強い効果が有ることを発見しました、現在この研究を更に進めています。

 

以上、少し話が難しくなってしまったかもしれませんが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

また別の機会に投稿できましたらその時も是非読んでください。

 

東京工科大学 応用生物学部 

応用生化学研究室 教授 今井伸二郎

会社見学(タニタ株式会社)

2016/02/24 | 固定リンク

 応用生物学部では、11月から2月にかけて、就職活動を前にした3年生や大学院生を対象に10件程度の会社見学訪問を行っています。この中で、先週、タニタ株式会社に、生命科学コースの横山教授とともに約30名の学生をつれて、訪問してきました。
 当日は、タニタ博物館の見学、会社内の見学をさせていただき、最後に、採用側からみた新卒の採用試験についてのお話しなどをしていただきました。
 タニタの主力商品は、以前は、トースターだったそうです。社内食堂では、社員全員がタニタ食堂のメニューを食べているのだと思っていましたが、実際は、基準をオーバーした人が食べなくてはいけないメニューだそうです。就職活動にむけても、大変ためになるお話を伺うことができました。
村松
村松研究室へのリンク

横山研究室(生命科学・環境コース)

2016/02/18 | 固定リンク

みなさん、こんにちは。応用生物学部の横山です。初めての投稿になります。

私は、昨年(2015年)5月に東京工科大学応用生物学部教授に着任しました。これまでに行ってきた研究、現在およびこれから行う研究について、みなさんに紹介したいと思います。

私の研究室では、主に次世代のヘルスケアに貢献できる技術について、研究を行っています。

これまでに、がんを見つけるマーカー候補となるような病気に関係するタンパク質を高速全自動で検出し、解析するシステムの開発を行ってきました。ちょっと聞き慣れない名前で言いますと、二次元電気泳動システムです。我々が開発したシステムを使えば、これまで丸一日、手作業で行っていたタンパク質の分離・検出が、なんとフルオート、1時間半程度でできます。この研究成果は、現在、共同研究先の民間企業から販売され、多くの研究者に利用されています。もっと詳しく知りたい人は、以下の製品のサイトを見て下さい。
http://www.sharp.co.jp/sms/protein/protein.html

また、糖尿病患者が、自分の血糖値を測定するために利用する血糖値センサーに関する研究を行っています。その中でも特に、酵素の研究を行っています。現在血糖値センサーに使用されている酵素は、安定性に問題があります。そこで我々は、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で、熱いところで生育できるカビから、耐熱性があり、長期安定な酵素を世界で初めて発見しました。現在、この酵素を遺伝子組換え技術を使って改良する研究を行っています。すぐ近い未来には、改良した酵素を血糖値センサーに利用することになると思います。

本学に着任してから始めた研究についても紹介します。

本学蒲田キャンパスにある医療保健学部臨床工学科と共同で、血液透析装置の高性能化に関する研究を行っています。現在、慢性的に血液透析を必要とする方々が、わが国だけでも30万人以上います。血液透析は、血液中の必要なものを残しながら、不要なものを排出するために行います。しかし、必要なタンパク質、栄養分まで排出してしまうことがあります。そこで、血液成分を透析時にリアルタイムで表示し、必要な血液成分を維持するシステムの開発を行っています。

バイオマスの有効利用に関する研究にも着手しています。八王子市近隣から排出される剪定枝を原材料とし、これを燃料化する研究です。特に利用が難しい、リグニンという成分に注目しています。

以上、ちょっと話が長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

東京工科大学 応用生物学部
応用生化学研究室 教授
横山憲二

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