『新・東海道 水の旅』を出版しました
| 固定リンク 投稿者: 応用生物学部スタッフ
私の著書のなかでは,はじめての一般書となる『新・東海道 水の旅』を2015年5月20日に出版しました(浦瀬太郎著,岩波ジュニア新書, 840円+税)。高校生をメインのターゲットにしたジュニア新書ということで,かんたんな言葉づかいで記述しました。東京駅から新大阪駅まで本のなかで旅をしてもらいながら,水について考えてもらう内容です。
私は排水処理の技術や水環境について研究をしていますが,この本は,専門分野を解説するというよりは,理科(生物,化学)と社会(地理,現代史)の接点を水環境という切り口で書いています。応用生物学部の扱う内容は,医療,環境,食品,化粧品など多岐にわたっています。環境分野は,理科と社会との接点になりやすい分野ですが,医療だって人を幸せにしようとすれば,理科系の力だけではできません。食品や化粧品にも,社会的な面を意識した技術開発や商品開発が必要でしょう。純粋に学問を「縦に」深く掘り下げることもみなさんが卒業研究を進めていく場面では必要なことですが,「応用」生物なのですから,ちょっと「横に」手を広げてみたい方にこの本はおススメです。
研究室の学生からは,「ブラタモリがおもしろいと思える人向きですね」「川より携帯電話が好きだという人が増えれば,再び川から水がなくなるでしょう,という大井川の説明が驚きでした」というような感想でした。うちの奥さんは,「趣味本を出版してもらえて幸せだね」と言ってます。今後,機会があれば,瀬戸内海,福岡(大渇水と海水淡水化),熊本(豊富な湧き水),水俣病,・・と多くの話題がある『山陽・九州新幹線水の旅』も書いてみたいです。
(浦瀬太郎)浦瀬研究室のページ