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一次情報が気になる人になりましょう

「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」という有名なフレーズを知っていますか?

最近、平成26年度東京大学教養学部学位記伝達式での総長式辞で取り上げられて話題になりました。式辞は、このフレーズに関する様々な誤解、誤報があったことを示した上で、1次情報を自分で検証せよという話です。

 

(式辞から引用)

「あらゆることを疑い、あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること、この健全な批判精神こそが、文系・理系を問わず、「教養学部」という同じ一つの名前の学部を卒業する皆さんに共通して求められる「教養」というものの本質なのだと、私は思います。」

http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/about/message/oration/

 

ちなみにこの石井学部長の式辞では、学部長が話した内容すらも1次情報をみて確認しましょう、というオチのようなものもついています。

 

これに関連して、次のクイズを考えて下さい。

下の図は、何でしょうか?

 

Murakami2

 

ヒントは、藤子不二雄Ⓐの漫画『怪物くん』でもおなじみのキャラクター「フランケン」のモデルです。

多くの人は、「フランケンシュタイン」と答えるでしょうが、正解はあえて言えば「フランケンシュタインがつくりだした怪物」であり、実は名前さえも付けられていないそうです。

 

小説「フランケンシュタイン」は、いくつかの映画の印象が強烈なためか、怪物自身を「フランケンシュタイン」と誤解している人は世界中にも多いということです。

 

さらにこの本には、別の誤解の話があります。怪物を作ったフランケンシュタインは大学の学生であるのに博士としてよく紹介されています。また、作者はメアリ・シェリーという女性ですが、最初の出版では、当時は女性が小説を書くことがほとんどないため、匿名で出版されました。当時多くの人は男性の作品と誤解していたでしょう。

 

このように、情報はさまざまに誤解され流布し定着します。1次情報にあたって調べることはだれでも簡単で、また専門家は当然知っているわけですが、誤解しているほうが多数派になっていることも少なくないわけです。

 

そこで、私のメッセージとしては、やや怪しいと感じたら、または大事なことだと感じたら「1次情報にあたってみて調べましょう」です。根拠が怪しいと感じる能力は調べる中で育ちます。科学では特にこの態度は重要で割りと当たり前のことなのですが、インターネットを初め根拠の怪しい情報が多い現代では、一般の人にも(ネットをよく使う若い方には特に)重要だと思うわけです。

 

東京工科大学 応用生物学部 村上勝彦

研究室 生命情報研究室

http://www.teu.ac.jp/info/lab/project/bio/dep.html?id=39

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