ツガルさんが逝ってから半年が過ぎました
| 固定リンク 投稿者: 応用生物学部スタッフ
2014年5月23日に横浜野毛山動物園から突然の電話がありました.前日まで元気であったツガルさんが急に何も食べなくなって戸惑っているとのことでした.こちらにも動物園のとても不安な気持ちが伝わりました.点滴をしたり,いろいろ手を尽くしましたが,夜10時に静かに息を引き取ったとの知らせが翌日ありました.世界最長記録の38歳でしたから,いつこの日が来ても仕方がないと覚悟だけは決めていました.それ故に静かに受け止めることができましたが,もう少し長生きして欲しかったことも確かです.
しかし,人間に直せば120歳のおばあちゃんラクダが前日まで元気で,すっと旅立って行った.文字通りの大往生です.なんとも素晴らしい幕引きで,羨ましくもなりました.
6月8日のお別れ会に呼んでいただき,献花をしてきました.500人もの参列者があったそうですが,子どもからお年寄りまであらゆる世代に人気のあったツガルさんならではのことと思います.櫻堂さんらが心を込めて作ってくれたツガルさんのミニチュアボトルを頂戴しました(写真).ツガルさんがいた場所の砂や,毎日食べていたコエンザイムQ10のカプセル入りニンジンの模型も入っています.研究室の机にツガルさんの人形とともに置いていますが,時々ながめてはツガルさんの優しい目を思い出しています.
現在,分かりやすいコエンザイムQ10に関する学術書の執筆・編集に追われています. 来年の春に完成したら動物園を訪ねて,いつも元気をくれるツガルさんに感謝の気持ちをあらわしたいと考えています.
山本順寛