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携帯もパソコンもない時代のラブストーリー

 先日、TVをつけたら1980年代のアニメ「めぞん一刻」をやっていて、なつかしさにおもわず見入ってしまいました。内容は古いアパートを舞台とした若い未亡人の管理人さんとちょっとさえない住民の大学生とのラブコメディ?とでもいえばいいのでしょうか、原作の漫画が連載されていた時にちょうど私も大学生で、毎号欠かさず読んでいました。

 私の下宿先も6畳一間、風呂なし、トイレ・台所共有のアパートで、管理人さんが電話の取り次ぎや郵便の仕分けをやってくれてくれて漫画との共通点も多い状況でした。ただ残念なことに管理人さんはお爺さんで胸をときめかす要素はなにもありませんでしたが。

 さて、舞台である1980年代と現代のライフスタイルの決定的な違いは、なんといってもコミュニケーションディバイスの発展だと思います。電話は固定電話のみでパソコンもない時代には、知人や恋人との連絡手段でさえ非常に限られていて、そのために頭も気も遣わなければならないし、混乱を発生させることもすくなからずありました。めぞん一刻でも、主人公の女友達からの電話を彼が恋い焦がれる管理人さんが取り次ぐという、今では起こらない皮肉な状況が何度もありました。

 現代ではメールや携帯電話の普及によって友人たちとはいつでも簡単に連絡が取り合えますし、ツイッターや各種SNSの充実によって会ったこともない人々と情報や意見の交換もできますので、コミュニケーションに関しては当時とは比べものにならないくらい快適です。その一方で、仲間うちで話をするのと同じ感覚でネット上で不用意な発言をして人の心を傷つけたり、責任をとらされて解雇になったりなど人生が狂ってしまうことなども起こってしまいます。「そういう危険性があることを知らなかった」ではすまされない状況です。

 テクノロジーの発展は常に便利さ快適さの向上とともにそれ以前には起こりえなかった新たなトラブルを引き起こす可能性をもっています。新しいテクノロジーを作る者はその恩恵だけでなくそれが生み出す新たな脅威も同時に考慮し、また啓蒙しなければならないといわれます。研究者としてつねに心がけねばならないことです。

柴田 雅史

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