東京工科大学 応用生物の広場東京工科大学

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2011年2月

健康長寿ラクダ

2011/02/28 | 固定リンク

 ご存知かも知れませんが、私(山本順寛)はコエンザイムQ10に関する研究を長く続けています。私たちの体のサビを防ぐ大切な抗酸化物質であるばかりでなく、ミトコンドリアではATP合成に欠かせない大切な物質ですが、加齢とともに細胞から失われていくからです。これを上手に補えばアンチエイジングも夢ではないかも知れません。

 2009年12月にうれしい驚きのニュースが飛び込んできました。横浜野毛山動物園にいるフタコブラクダが体調を崩した時、好物のニンジンと一緒にコエンザイムQ10を摂り、元気になったとの報道がありました(http://www.47news.jp/news/2009/12/post_20091214165403.html)。

 是非会いたくなって対面したのが左の写真(2010年1月撮影)です。飼育員の櫻堂由希子さんに撮ってもらいました。 何とも優しい目をしています。津軽で産まれたのでツガルという名のおばあちゃんラクダです。ラクダの寿命は25歳くらいで、ツガルさんは現在35歳ですから、人間になおせば100歳を超える長寿ラクダなのです。

 櫻堂さんからコエンザイムQ10サプリメントが無くなりそうだと聞きました。関係している日本コエンザイムQ協会の賛助会員の会社数社にお願いして、それ以来コエンザイムQ10サプリメントを送り続けています。右の写真は今年1月の写真です。去年のあの暑い夏を見事にしのいで、ますます元気なツガルさんです。そして、コエンザイムQ10が役に立つことをさらに確信しました。

 ツガルさんは2010年7月にNHKテレビ「小さな旅」でも紹介された人気者です。桜木町から歩いて15分の入園自由の動物園ですから、思い切って会いにいってみては如何でしょうか。きっと元気をもらえると思います。

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卒業研究審査会の周辺

2011/02/15 | 固定リンク

2月10日に卒業研究審査会がありました。

この審査会は,昨年の冬から1年かかってやってきた卒業研究の内容を学生が発表するもので,卒業論文の指導教員の他,何名かの先生が審査にあたる審査会です。審査は公開なので,2年生や3年生が会場に来て,来年の自分,来々年の自分の予習をしている姿も目にします。学生1名あたり,発表の持ち時間は7分でパワーポイントを使って発表し,その後,質疑に入り,先生方からの厳しい質問やら,なごやかな質問やらに答えることが求められます。

卒業研究審査会は,学生にとっては,1年間の成果を問われる場であり,大学生活の締めくくりとなるもので緊張するものです。学生に指導教員の気持ちにまでなれというのは,なかなか難しいでしょうが,卒業研究審査会というのは,学生が審査される場であると同時にその研究を指導した先生も審査される場なのかもしれません。私は審査会の質疑応答で,自分の研究室の学生の応答には口を挟まないのを原則としていますが,学生の一言一句に「そういう応え方じゃなくて・・」,「そうそう,いいよ」とか,心の中では結構ドキドキしています(が,顔では涼しい状況を装うのが,教授の威厳)。

発表会の後は,大学から徒歩2分ほどで行ける「峠の○○」(固有の店を宣伝するのを控えるため,○○とした)で,研究室の学生とお疲れ様会をしました。大学から近い店なのに意外とここは使われない穴場の店です。高校生の飲酒はいけませんが,卒業研究は20歳以上なので,少しのアルコールは,お許しいただきたいところです。とはいっても,たくさん酒を飲んで泥酔するような人はいません。そういえば,研究室の学生同士が,普段,誘いあって行く店も,「のむ」というよりは,「食べる」系が多く,デザート食べ放題なども主として「男子」学生に人気がありますが,男性だけで行くのは気が引けるらしく,研究室の女性陣がたまに渋々,同行してあげているようです。甘味系学生が増加中かもしれません。

最後に,卒業研究審査会のパワーポイントのスライドから1枚写真を載せて終わります。暖かい排水が流れる河川では,礫に付着した珪藻の種構成も安定で,この写真の種(おそらくGomphonema)が1年を通して優占しているようです。水質というと化学成分ばかりに目が行きがちですが,生態系への影響では水温も重要なのです。 (浦瀬太郎)

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映画「レッドクリフ」を観て

2011/02/08 | 固定リンク

この間、テレビで映画「レッドクリフ(Part1・2)」を観た。DVDを入れるとこれで3回目だ。ストーリーは分かっているのに、また観てしまった。自覚はないけれど、「三国志」が好きなためだと思う。実際、横山光輝著の漫画「三国志」の単行本を全巻読んだ覚えがある。この「三国志」の名前は、ほとんどの人が耳にしているに違いない。この物語は、1800年前の中国の三国時代と呼ばれる頃を描いた時代小説で、とくに明代に書かれた「三国志演義」が漫画や映画の元となっている。漫画「三国志」では、蜀の初代皇帝である劉備を主人公に、孔明や関羽、張飛といった仲間らと共に、魏および呉の初代皇帝となるライバル、曹操や孫権との戦いを描いている。主人公は劉備なのだが、劉備の軍師である孔明や、文武に優れた関羽、勇猛な武人の張飛、ライバルの曹操や孫権など、そのキャラクターの多彩さがこの物語の魅力でもある。おそらく「三国志」ファンには、自分の好みのキャラが少なくとも一人はいるに違いない。とくに劉備・曹操・孫権の3人は、一国の君主であるが、その性格がまるで違う。しかし、どちらも一国のリーダーとしてのカリスマ性と才能を持っている。昨年、中国が日本を抜いてGNPが世界で2番になったが、中国は、「三国志」でも取り上げられるような魅力的なリーダーを数多く輩出していることからも何となく納得がいく気がする。この閉塞感に悩まされている現代の日本に、「三国志」に見られるような政治的リーダーが出現してもらいたいものだ。

話を本題に戻すと、映画「レッドクリフ(Part1・2)」では、「三国志演義」の中でも有名な長江での赤壁の戦いを、トニーレオン演じる呉の将軍、周瑜を主人公に物語が展開している。映画では、周瑜の武芸や音楽(琴)に優れ、部下に慕われる有能な指揮官としての姿の他、周瑜と妻との夫婦愛が描かれている。

しかし、今回映画を観ていてあらためて気になったシーンがあった。赤壁の戦いでは、周瑜率いる呉の軍が、曹操の水軍を火責めにするのだが、その際、魚油を用いた火炎瓶が使われていた。この魚油は、魚を細かく刻んだ後、煮て湯面に浮き上がった油を採取する方法(これを「煮取り」という)で作られていた。そのとき、中村獅童演ずる、周喩の部下で水軍の教官の甘興が、この魚油の火炎瓶のできの良さに部下をほめていたが、科学的に見ると魚油はまさにバイオ兵器といえる。戦国時代、田畑が荒れている中、油糧資源としての魚油は貴重であったと考える。それにも関わらず食品である魚油が兵器として使われていたのだ。食品となる生物が兵器として使われないよう、また食料不足による争いが起こらぬよう、応用生物学部に所属する者にとっては、その科学知識を役立てなければと、「レッドクリフ」を観て、あらためて考えさせられた。(遠藤)

片柳研究所棟の定点観測

2011/02/07 | 固定リンク

応用生物学部に入学してくる皆さんは、やがて片柳研究所棟(片柳棟、K棟)を中心に学生生活を送るようになるでしょう。この建物は応用生物学部(旧・バイオニクス学部)の新設とともにできあがりました。そこで今回はその建物ができあがるまでの過程を写真で簡単に紹介したいと思います。

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上部左写真は2000年(平成12年)10月で、まず片柳棟の実物大モデル(中央から左ウィングのみ)がパイプの骨組みで建設されました。グランドデザインを考えた(画家でもある)理事長が、これを本部棟でどんな気持ちで眺めていたかは私の知るかぎりではありませんが、心躍っていたのではないでしょうか。
上部中央写真は2002年3月で建設真っ最中の片柳棟です。まだ新学部開設まで1年あります。両ウィングの外観ははっきりしてきました。新学部構想の具体化も急がれ始めたころです。
上部右写真は2003年3月で完成直前の片柳棟です。外観もほぼできあがり、新学部の開設にどうにか間に合いそうでほっとした頃です。
そして下部写真は、新学部開設直後の2003年6月の片柳棟(右)、およびその対面にある研究棟の姿(左)です。皆さんの先輩の第一期生がこの両棟をにぎやかに行き交い始めた頃です。なおこのスロープはなかなかのもので、授業ごとの往来は学生にとってもかなりの運動になるようです。

最後はオマケで、片柳棟15階からの冬の富士の眺望を紹介しておきます。八王子のこの御殿山付近の冬はなかなかの寒さでもあります。

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いずれにせよ、入学したら皆さんも先輩と同じように、この環境の中でキャンパスライフを謳歌することになるでしょう。

(応用生物学部教授 奥 正廣)

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