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2010年12月

卒研の時期の帰り道

毎年、この時期になると、気忙しくなります。
学生は、卒業研究、期末試験、就活と、それぞれが課題をかかえて、研究室に出入りし、私の方も、別の立場ですが、上記3課題に加えて、いろいろあり、落ち着きません。
 
1日を終えて、ブログ用の写真をとるため、カメラを持って研究室を出ました。
フーズ・フーや片研、クリスマス・ツリーの光で癒されます。
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帰り道で、別の研究室の学生に会いました。卒研の実験の帰りだそうです。1年の時、学習技法で私のクラスだった学生です。片倉の交差点を過ぎて、みなみ野駅に向かうと、だいたい1,2台の大学のバスに追い抜かれます。 Small_4 Small_5
 
陸橋の上から、八王子方面に向かう横浜線の電車が見えます。学生に八王子方面か、横浜方面かきくと、八王子だということです。 Small_6  
 
  デニーズのある交差点の角を曲がり、 Small_7
 
駅前に着くと、クリスマスの電飾や、紫色の大学のバスに出会います。
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私が乗る横浜方面の電車が来ました。
学生に就職か、進学か尋ねると、7月にすでに内定をもらったそうです。
1年の時と比べると、学生の成長を感じた瞬間でした。
(後藤正男)
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今年の学会デビュー

研究室の修士1年の学生生が日本分子生物学会(神戸ポートピア)で学会デビューしました。

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修士は卒業までに学会発表が義務付けられています。

その意味で1年生で発表できたことは非常に良いことです。いろいろな質問をされて足りないところに気づいたり、アイデアをもらったりしたようです。また、優秀な発表を見て勉強にもなったようです。来年はもっと立派な発表をしてくれることでしょう。

研究に限らず、外部の人と交流することは、意外な発見や自分の仕事の改善につながることがあります。勉強でも普段交流のない人のやり方が参考になる場合があるかもしれませんね。(多田)

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教え子の結婚式に出席して

18日に教え子の結婚式に出席して来ました。場所は水戸です。

卒業して3年と8ヶ月です。相手は会社の先輩です。結婚相手は半径5メートル以内にいる!とはよく言われることです。

在学中は、研究活動よりも趣味のイラスト描きに力が入っていた彼なので、仕事をちゃんとやっているか心配でしたが、社長さんのスピーチによれば入社4年目で「主任」という肩書きがついた出世頭だそうです。よかった、よかった。

結婚式では、他の同期の教え子たち数人とも会えて楽しく過ごせました。みんな、それぞれに異なる環境で頑張っているようです。

実は医学部などの特殊な学部を除くと、会社に入った場合には大学で学んだ分野の仕事について専門を生かせるいる人は多くないのが社会全体の実情です。仮に関連する部署に配属になったとしても、何年後かには職場が変わることも多いです。

私の研究室では植物について研究しています。結婚した彼は、会社では植物を扱っていますが、今の仕事は植物を食べ物として生産・加工するというものであり、卒業研究のテーマとは直接には関係していません。

しかし、実は大学の研究室で好きな分野の研究を通して学ぶのは、専門知識(だけ)ではなく、論理的に考えて実験を計画し、文章を書くことだったり、ひとつのことを一生懸命に成し遂げることだったり、問題に直面した時に乗り越える経験をすることだったり、責任を持って仕事をすることだったりします。それらが、どんな仕事についた場合でも役に立つ最も大切なことです。(多田)

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出張講義のお知らせ

皆さん、こんにちは。最近の出張講義(模擬授業)の内容のお知らせです。

「こんな授業を受けてみたい!」と思ったら学校の先生に「東京工科大学の出張講義を受けてみたい」と頼んでみてください。「生徒に受けさせてみたい」と思った高校の先生は是非、申し込んでください。

ご依頼は少人数でもお気軽に、大学広報課(メール:pr@so.teu.ac.jp または、0120-444-903(フリーダイヤル))までご相談ください。

最近の実績

12/10(金) 山梨県立高校
テーマ:健康長寿に役立つ応用生物学
概 要:横浜野毛山動物園の34歳のラクダは今年の猛暑も元気に乗り切りました。人間になおせば100歳以上のおばあちゃんラクダ「ツガル」の元気の秘密を解説します。


12/14(火) 都立高校
テーマ:植物バイオテクノロジーは地球を救う
概 要:地球温暖化や砂漠化などの環境問題、世界的な食糧問題、石油の枯渇問題などを解決する植物バイオテクノロジーの力を紹介します。


12/17(金) 東京私立高校
テーマ:DNAに刻まれた生物進化の歴史
概 要:生物が共通の祖先から進化してきたという立場を科学はとっている。誰も見てきたわけではないし、文献に残った記録もないが、ほとんどの科学者は、生物は共通の祖先から進化してきたという考えを信じている。本講義では、分子生物学の急速な進展で明らかになった生物の進化についての情報を解説し、DNA配列から何かがわかったかを述べる。

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世界遺産シュンドルボンのマングローブ林

応用生物学部の多田です。

世界遺産として登録されているバングラデシュのシュンドルボンというところに行ってきました。ここは、世界最大のマングローブ林として有名です。

シュンドルボンとはシュンドルの森という意味だそうで、シュンドルとはマングローブの一種です。

時間の都合でほんの一部しか見れませんでしたが、その広大さには圧倒されました。  

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私が研究材料にしているオヒルギというマングローブもたくさんありました。しかし、沖縄のオヒルギの花の色が赤いのと比較して現地では白っぽい色でした。葉っぱを持って帰ってきたので、遺伝子を解析して沖縄のオヒルギとどのように異なるか調べたいと思っています。シュンドルボンのオヒルギの花です。

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シュンドルボンはベンガルタイガーという希少な野生のトラがいることでも有名です。トラは見れませんでしたが、糞と足跡を見てきました。それらが見られるところに行くためには、ライフル銃をもった護衛兼ガイドと一緒に行きます。下の写真はトラの糞と警護の人です。P1010313s

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バングラデシュでは、現地の大学の先生が案内してくれました。最初の食事で、「鶏肉は食べるか?」と聞かれたのでイエスと答え、「野菜は?」と聞かれたのでイエスと答え、鶏肉のソテーに炒めた野菜が添えられた料理が出てくると想像していたのですが、出てきたのはチキンカレーと野菜カレーでした。そういえば、テレビでインドでは一日三食全部カレーだといっていましたが、その隣のバングラデシュも同じようです。次に「魚もどうだ」といわれて出てきたのは、当然ながら魚のカレーでした。毎日三食カレーで頑張りました。

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研究生活で最近思うこと

 今から約800年ほど前の1212年、鴨長明という人物が随筆『方丈記』を著した。世の無常観、はかなさを短くうたいあげたものだが、この中で、たった一ヶ所だけ「景気」という言葉が登場する。移ろい行く「景色」や「気配」を短く表現したと思われる言葉である。この言葉は、常に変動し、不安定な、この世の覚束なさを現すという点で、経済社会の覚束なさにそのまま当てはまりそうである。だが、この変動する景気なるものの正体を見極めることほど厄介なものはない。その厄介なことに、わざわざ飛び込んでしまった自分を今頃忌まわしく思う。また、あまりにつらいものだから、ついつい投げ出してしまいそうにもなる。

 とはいえ後戻りもできず、気を取り直して景気を眺めると、1990年代以降の超長期の経済停滞は、移ろい行く景色や気配を優雅に、のん気に眺めていられるようなものではないことに気付く。90年代の終わりごろには「失われた10年」、2010年近くになると「失われた20年」と揶揄され、日本経済が、通常の経済システムでは考えられないような異常な状態に陥っていることが鮮明になっている。当然ながら、その原因探しに没頭せざるを得なくなる。そこでまた暗闇に迷い込む。暗闇であがいているうちに、あることに気付いた。それは、この国のかつての栄光の源が崩れかけていることである。日本企業の輸出競争力の低下がそれを示している。

 この間に日本経済に何が起きていたのだろうか。円高、新興国企業の台頭、国内のコスト高、法人税率が国際的に高いことなどなど。だがそれらは、競争力の低下要因とするほどのものではない。かつて高い競争力を誇ってきた日本企業は、そのような問題を次々に乗り越えてきたはずである。にもかかわらず、なぜこのような事態に陥ったのか。その根源に、人材育成を未来への投資ではなく単にコストとみなす風潮に流されてしまったことがあるように思われる。人材なくして競争力が強まるはずもない。「失われた30年」の声を聞きたくなければ、まずは人材の育成に真剣に取り組むことが必要であろう。また厳しい就職環境を前にして思うのは、学生諸君には決してあきらめずに、汗を流し知恵を絞り、自分の能力を高める努力を惜しまずに払い続けて欲しいということである。景気は確かに変動し、覚束ない。けれども経済は、同時に人間の体のように自己保持、自己再生力も併せ持っており、いつかは回復する。そのときに備えて努力を払い続けて欲しい。その延長線上にこの国の未来が見えてくる気がする。    

(応用生物学部教授 工藤昌宏)

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八王子の花

東京工科大学のバイオニクス学部(現応用生物部)の開学に従い、八王子に移り住んで7年目となる。中央線で新宿から八王子に向かって、立川で多摩川をまたいで、八王子に入ると気温が3度位低くなるといわれている。東京に比べると八王子は山梨に近い分だけ、山の中に入ってくるのである。八王子の駅前だけを見れば新宿や吉祥寺とそれほど差があるわけではないが、いったん、駅前を離れれば田園風景が広がり、さらに進めば高尾山や陣馬山のような山の麓に入ることとなる。私の住む八王子の上恩方は陣馬山まで歩いて2時間という八王子の中でも山麓に近いところとなる。さすがに、この辺まで来ると、東京とは思えないような山の花に恵まれている。

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フクジュソウ:
最初に咲く花
カタクリの花:
実物はもっと可憐です
シュウカイドウ:
この花が咲くと
花は終わります

私の家の周辺でも、一年で一番最初にフクジュソウの花が咲きだし、その次はカタクリの花が咲く。このころは大変寒く2月には、大学に向かうため、朝、車のエンジンを始動したときに、マイナス7℃の表示が出たことがあり、3月になっても殆ど毎日車のフロントガラスは氷で覆われている。2月の終わりから3月にかけては依然として真冬と同様の寒さではあるけれども、このころに咲く花は春がすぐそこまで来ていることを教えてくれている。3月から先はフキノトウやイチリンソウ、5月のゴールデンウイークのころには気温も上がり、恩方方面では最大の花暦であるミツバツツジが咲く。ミツバツツジは日光などでもよく見られる花であるが、葉を出す前に花が咲き出すので、樹全体がピンクや橙色に輝くような花をつける美しい潅木である。7月の終わりには蛍が2週間ほど舞うが、このときに合わせるようにホタルブクロが咲くのも美しい。夏にはヤマユリやノカンゾウ、ナツズイセンやキツネノカミソリのようなユリ科の花が美しい花を次々とつける。また、家の裏の石垣にはイワタバコという珍しい花も群生している。秋にかけてはシュウカイドウが咲き、これを境に花はめっきりと少なくなる。

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ミツバツツジ:
本物は桜に負けない
美しさがあります
名前不詳:
イチリンソウやニリンソウの
頃に咲きます
ナツズイセン:
近所ではそう
呼ばれています

東京工科大学は八王子に美しいキャンパスを有しているが、八王子の野山もまた美しい自然を多く残しており、そこで学ぶ者たちの心を安らげてくれる。

東京工科大学 応用生物学部 教授 斉木博

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おいしさの基準-ワインその1-

 おいしいものを食べた時のよろこびは、人を幸せにします。まさに、おいしさは人の生活を豊かにしています。さて、おいしいもの、おいしくないもの、どこに違いがあるのでしょうか。ひとそれぞれと言ってしまえば、それで話は終わってしまいますが、おいしいと評判のラーメン屋には長い行列ができ、様々な食品においしさを競うコンクールがあるところを見ると、おいしさにも多くの人が共通して感じる要因があるようです。私が研究しているワインの香りとおいしさの関係に注目してみると、おいしさに関連した要因として、オフフレーバー、バラエタルアロマなどがあります。オフフレーバーは、ワインにあってはならない不快な香りです(フレーバーという言葉は、口に含んだときの味や香りを総合した風味を意味しますが、ここでは、香りの話に限定します)。代表的な例としてコルク臭があります。コルクの木の香りが悪い香りなの?と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、ここでのコルク臭は、コルクに生えたカビの臭い、カビ臭さを意味します。レストランでこのカビ臭さを感じるワインに遭遇した場合、劣化したワインとして交換してもらうことができます。ワイン審査会で、オフフレーバーが見つかると、他に良い特徴があったとしても、残念ながら落第点になってしまいます。ワインのように長い歴史を持つ食品は、このオフフレーバーに対する共通の基準がかなりしっかりとできています。

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一方、バラエタルアロマ(ブドウ品種に由来する香り)は、多くの場合、おいしさに対してポジティブにはたらく良い香りとして評価されます。これは、ワイン造りの基本が、原料となるブドウの特徴をうまく引き出すことにあるからです。ワインの香りに、それを製造したブドウ品種の特徴が感じられることが、ワインのおいしさをより高めてくれます。品種の特徴が感じられないワインは、評価が低くなります。ワインの香りのもととなる揮発成分を機器で分析してみると、そのほとんどが、発酵によりできたものです。そうなると、どんなブドウで造っても、ワインの香りは発酵で決まってしまうことになりますが、実際は、発酵によりできた揮発成分に隠れている、量的にはごくわずかな、ブドウ由来の香りが重要になります(これを果実アロマと呼びます)。ワインの香りに、この果実の特徴を見つけることが、おいしさにつながります。ワイン用ブドウとして評判の良い、カベルネ・ソービニヨン、メルロー、シャルドネなどは、この品種由来の香りが心地よいおいしさを生む品種といえます。

(高柳 勉)

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