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スイングバイ

スイングバイという言葉に非常に興味を持った。万有引力を利用してスペースクラフトの運動方向や速度を変える技術を指す言葉として知られているが、私はこの言葉を、小惑星探査機“はやぶさ”の映画を見てはじめて知った。“はやぶさ”は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が造った、イオンエンジンによる運動機能、太陽光発電エネルギーを利用した通信機能、ロボットによる試料採取機能を備えた人工物である。この無生物的な物体が日本の多くの人々の心をとらえた。その地球帰還物語は私の心にも響いた。

大学から車で30分ほどの相模原市にその研究所があり、向かいの相模原市立博物館でくだんの映画を見た。“はやぶさ”のミッションは、未踏の小惑星“イトカワ”を探査してその表面の物質標本を地球に持ち帰ることである。“はやぶさ”は技術者たちの手によって造られたものだが、人の子のようにいとおしく思えるのは、通信という手段によって、見えなくても私たちとつながっていたからだろう。通信の断絶、故障を乗り越えてミッションを達成した姿は、“はやぶさ”を単なる探査機とは思わせなくするほどに、私の心をとらえた。NHK解説委員の柳澤秀夫さんが目をうるませながら、“はやぶさ”が地球を撮った最後の写真を紹介したのも、うなずける。

大学という学びと探求の場所を考えるとき、スイングバイの構図があてはまるところがあると思った。学び習ったことを、卒業研究活動等で実践的に体験する。時に先生に背中を押されて、未踏の領域で何かの発見を出来るかもしれない。学生にとっては、先生とのコミュニケーションやサポートを得ることで、飛躍のチャンスを大きく出来るだろう。先生方にとっても、学生がスイングバイによって何かをつかんだならば、非常に悦ばしいことだろう。

生物の面白さのひとつは、謎が多いことだ。この謎解きをとおして、心に響くような研究を展開したいと思っている。研究室には志をもった学生がいる。そんな学生たちとスイングバイして、成功体験が出来れば素晴らしいと思う。そのための技術を開発して、磨くことに努力を惜しまない姿勢を学ばないといけない。私も“はやぶさ”に勇気づけられて、小さくても感動を追い求めようと思った。

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