春のオープンキャンパスのお知らせ

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

3月26日に来場型のオープンキャンパスが行われます。

今回のオープンキャンパスでは下の8研究室の公開と2つの模擬授業が行われます。

景品付きのスタンプラリーも行われますので、ぜひキャンパスに足を運んでください。

オンライン型も開催されます。

 

研究室公開

バイオインフォマティクス研究室、エピジェネティック工学研究室、バイオセンサー研究室、バイオプロセス工学研究室、アンチエイジングフード研究室、食品加工学研究室、皮膚進化細胞生物学研究室、皮膚生理学研究室

模擬授業

美肌を科学しましょう:しみ、しわ、ニキビ。いろんなトラブルをもつ肌の中でおきてることと新しい治療法の開発や肌診断法を解説します。

生命科学で環境を守れ:応用生物学部で行われている地球の緑化の増進や水質改善、環境汚染物質の検出や除去など様々な地球環境領域での研究分野を紹介します。

 

  詳細と申込みは

■3月オープンキャンパス紹介ページ

https://jyuken.teu.ac.jp/jyuken/index.html

■申込フォーム

https://www.teu.ac.jp/entrance/open/reception/index.html

 

202303ocfb 

 

ケトン体が新型コロナから人類を救うかもしれない

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

今年7月にケトン体と新型コロナの関係について興味深い論文がNature誌に報告されましたので紹介します。

論文:Karagiannis F, et al., ketogenesis ties metabolism to T cell dysfunction in COVID-19. Nature. 2022 Sep;609(7928):801-807.

1

この論文の結果の要点

1) インフルエンザの重症患者では有意なケトン体濃度の増加が起こったが、COVID-19の重症患者においては、ケトン体が増加しなかった。

2) インフルエンザの重症患者のT細胞はインターフェロンが増加したが、COVID-19の重症患者においては、インターフェロンが増加しなかった。

3) ケトンエステル(小腸で加水分解されてケトン体を生成する)をCOVID-19病態モデルマウスに投与すると、インターフェロンが増加し、重症化を抑制した。

この論文の画期的な結論

1)COVID-19の予後がよくないのはケトン体が増加しないためである可能性がある。

2)ケトン体の補充療法がCOVID-19に有効である可能性がある。

 

1. 新型コロナの重症患者はケトン体が増加しない

ホモサピエンスは20万年前にアフリカ東部で誕生しましたが、現在まで「食べ物がない」という状況にさいなまれ続け、これに対する適応によって進化が促進されてきました。ここで注目してほしいのが、ヒトは絶食に暴露されるとエネルギー代謝を転換(論文では“リプログラミング”と述べています)できるという事実です。すみやかにメインなエネルギー源をブドウ糖からケトン体に転換させることができるのです。このことこそが長く続いた氷河期をホモサピエンスが生き残ってきたという奇跡の生理的な根拠であった可能性があります。

この転換は絶食のときだけに働くわけではありません。ウイルス感染を拡大させないために必要なのです。

インフルエンザに感染して「何も食べたくない」という感覚が何日間も続いた経験を誰でも持っているでしょう。このとき体重が数日で何Kgも減ってしまうことはまれではありません。中性脂肪がケトン体に変換されてこれをエネルギー源として使うために体重が短時間で大きく減少することになります。しかし近年になってこのケトン体が免疫系に重要な役割があることがわかってきているのです。ケトン体の増加はインフルエンザによるさらなる重症化を防いでいることを最近の免疫学が明らかにしています。

ケトン体をヘルパーT細胞に添加すると、ヘルパーT細胞は活性化され、抗ウイルス作用を持つインターフェロンを放出することができます。これは最近の免疫学の多くの論文が示すことです。ヘルパーT細胞がインターフェロンを放出すれば周囲の細胞にウイルスが拡散できなくなり、感染の拡大を防ぐことができます。感染症の時に起こる食欲不振は、ケトン体を増加させケトン体がヘルパーT細胞を活性化するという優れた機構によるものです。従って、ウイルス感染時にケトン体が増加しなければ大変なことが起こることが容易に考えられ得るのです。

さて今回取り上げた論文では、COVID-19の重症患者ではケトン体の増加が起こらないことをつきとめました。これに対してインフルエンザの重症患者ではケトン体が正常に増加するのです。このことから言えるのは、新型コロナの重症患者では、ケトン体が増加せずヘルパーT細胞からインターフェロンの放出の増加も起こらず、それによりウイルスのさらなる感染の拡大が起こるのだろうということです。

2. 新型コロナの後遺症の原因はケトン体が増加しないことでは?

次に筆者(佐藤)が特に注目するのは脳への感染の拡大です。新型コロナの感染は上部気道の上皮細胞にウイルス粒子が結合することから始まります。この部分で感染が収束すれば風邪と同じ症状で終わりますが、感染が肺胞上皮に拡大すると新型コロナの感染は重症化の機転を取ります。重症化すれば患者は大変な苦痛を味わうことになりますが、この段階で回復できれば数週間で日常生活に戻れるでしょう。問題は上部気道から副鼻腔を経て脳へ感染が拡大した場合です。このとき脳の中では何が起こっているのでしょうか?脳の一部(たぶん前頭前野)でニューロンとミクログリアの間で慢性的な炎症が成立し、脳の後遺症(多くがうつ様の症状)が長く続くことになります。この慢性の炎症の原因が、ウイルスの感染時にケトン体が増加しなかったことである可能性があります。

以下のようなメカニズムが想定されます。

ケトン体が増加しない→ヘルパーT細胞がエネルギー不足→インターフェロンが産生されない→脳へ感染の拡大→脳での慢性炎症の成立(新型コロナの脳の後遺症)

新型コロナにおいてケトン体が増加しない理由は不明のままです。ケトン体が増加しないので、ヘルパーT細胞はインターフェロンの放出を活性化することができない。新型コロナではウイルス感染の防御機構があまり働かないため、ともすると重症化や死亡にまで至る事態になることが示唆されます。インフルエンザの感染症ではまれにしか脳の後遺症が残らないのに、COVID-19ではかなりの割合で脳に後遺症が残ることが知られています。しかもこの後遺症が何か月にもわたって続き、Long-COVIDと呼ばれ医療の現場では大きな課題となっています。

ホモサピエンスが巨大な脳を永く維持するためにケトン体の制御は重要です。ケトン体は脳血液関門をフリーに通過できるので脳のエネルギー基質として重要です。またケトン体は『ニューロンの7割から8割のエネルギーを生み出すミトコンドリアで使われる』という意味でもケトン体は脳の機能を維持するうえで大変に重要でしょう。インフルエンザに感染して数日間以上何も食べなくとも脳が正常に機能が維持され後遺症が残らないのは、まさしくケトンの増加があるからにちがいありません。

3. 新型コロナにケトン体補充療法が有効

脳は非常にエネルギー不足に弱い組織です。特に、大部分のエネルギーがミトコンドリアで生産されているニューロンは弱い。その救世主がケトン体なのです。COVID-19が重症化するとケトン体が生産できないとすれば、食欲不振でのエネルギー不足がケトン体で補われないということになります。ケトン体が増加しないCOVID-19において脳に十分な量のケトン体を供給できないために脳に高い頻度で後遺症が残る可能性があります。

Karagiannis Fらは、ケトン体をCOVID-19重症患者のヘルパーT細胞に補給してやるとインターフェロンをまた作るようになることも報告しています。COVID-19の重症患者のヘルパーT細胞がインターフェロンをつくれなかったのはケトン体が足りなかったからではないかという可能性がある。マウスの病態モデルでもケトン体を供与するとCOVID-19の肺の重症化を抑制しました。もしヒトでも同じことが可能だとすればCOVID-19の患者にケトン体を補給してあげれば、ヘルパーT細胞はインターフェロンを作れるようになるので、さらなる重症化を抑制できるということが十分に考えられます。

ケトン体の補充療法は脳の後遺症の発生も予防するかもしれません。ケトン体を点滴で補充できればCOVID-19の重症化を防げるとともに脳での後遺症も防げることになるとも考えられますが、これはさらなる研究を待つことにいたしましょう。

もしかしたらケトン体がCOVID-19から人類を救うことになるかもしれない、このように筆者は考えております。

佐藤拓己

12月4日に来場型でプレ入試解答解説講座(来場型)を開催

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

12月4日に来場型でプレ入試解答解説講座(来場型)を開催します。

駿台予備学校が東京工科大学の過去問の傾向を分析して模擬試験を作成。キャンパスでチャレンジできます!

駿台予備学校講師による解答・解説講義も行います。本学の入試はもちろん、共通テスト前の腕試しとしても、ご活用ください。参加者全員に本学の赤本をプレゼントします!
プレ入試の擬試験問題および解答解説(冊子)は12月12日からバーチャルオープンキャンパスにて公開します。

バーチャルオープンキャンパスでは入試説明や学部コンテンツも配信します。

■対象学部
全学部対象
■実施内容(来場型、12月4日9:30~17:00申込制)
駿台予備学校によるプレ入試(模擬試験※&解答・解説講義)/入試個別相談/キャンパスランチ(弁当)
※英語、国語、数学、理科(物理、化学、生物)3教科選択
■実施内容(オンライン型)
11月14日~1月14日:大学説明、入試説明、学部コンテンツ、vr360コンテンツ
12月12日~1月14日:プレ入試の模擬試験問題および解答・解説(冊子)、科目別学習対策動画
※詳細は受験生報サイト『工科ナビ』でご確認ください。
https://jyuken.teu.ac.jp/

11月入試説明会+受験対策講座(来場型)&バーチャルオープンキャンパスのご案内

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

11月13日に来場型で入試説明会+受験対策講座を実施します。

奨学生入試、AB日程、共通テスト利用試験をご検討の方はぜひご参加ください。(※午前の部、午後の部とも定員制となります)

このイベントでは希望者に個別相談やキャンパスミニ見学(外観中心)を実施します。

また10月17日~1118日の期間にバーチャルオープンキャンパスを開催します。

大学説明や入試説明、応用生物学部の学部説明などの学部コンテンツがオンデマンド動画で視聴できます。

バーチャルオープンキャンパスのみの申込もできますので気軽にご参加ください。

 

■11月13日入試説明会+受験対策講座&バーチャルオープンキャンパスの情報はこちら

https://jyuken.teu.ac.jp/jyuken/index.html#taisaku

 

■申込はこちら

https://www.teu.ac.jp/entrance/open/reception/index.html

8月21日にオープンキャンパス情報

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

8月21日に4回目のオープンキャンパスが実施され、15研究室が公開されます。是非見に来てください。事前申込み制ですが、余裕がある場合には当日申し込みも可能です。

■8月OC紹介ページ

https://jyuken.teu.ac.jp/jyuken/index.html

■申込フォーム

https://www.teu.ac.jp/entrance/open/reception/index.html

 


生命科学

   

秋元


バイオセンサー研究室


遺伝子組み換え微生物を利用して地雷や環境汚染物質の測定をしています。


浦瀬・後藤


水環境工学研究室


水環境に関連する化学と環境問題を解決する微生物について研究しています。


中西


生命機能応用研究室


細胞を用いたプラスチックの作製など、微生物の新規利用法を開発しています。


村松


生命ナノ工学研究室


薬物による細胞の形態・物性的な変化を連続的にモニタリングする技術の研究を行っています。


吉田(亘)


エピジェネティック工学研究室


遺伝子を標的とした診断薬や医薬品を作る研究を行っております。


医薬品


 


 


佐藤(淳)


生物創薬研究室


ガンや脊髄損傷の治療薬をラクトフェリンで狙っています。


加藤


生体機能化学研究室


病気に関連する物質の可視化方法や遺伝子診断薬の研究をしています。


西


分子生物学研究室


ゲノムDNAを守るシステムと、その知見に基づく医薬品の創成を研究しています。


化粧品


 


 


柴田・伊澤


化粧品材料化学研究室


敏感な肌と環境に優しい化粧品のための、原料と製剤技術を研究しています。


松井(毅)


皮膚進化細胞生物学研究室


皮膚表皮の角層バリアの形成機構を研究しています。


吉田(雅)


皮膚生理学研究室


シミやあれ肌の改善を目指して皮膚の機構の研究をしたり、新しい肌診断法を研究しています。


食品


 


 


西野・中村


応用微生物学研究室


食品に関連した微生物を研究対象にしています。



食品加工学研究室


加工による食品の品質保持や機能性向上に関する研究をしています。


野嶽


生化学研究室


「善玉菌や食品のパワーを活用して、身体やお肌の調子を整える!」的な研究をしています。


佐藤(拓)


アンチエイジングフード研究室


食品によるアンチエイジングを研究しています。

 

8月7日にオープンキャンパスが開催されます

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

8月7日のオープンキャンパスのお知らせ

 

8月7日に今年度3回目のオープンキャンパスが実施され、17研究室が公開されます。是非見に来てください。事前申込み制ですが、余裕がある場合には当日申し込みも可能です。

 

■8月OC紹介ページ

https://jyuken.teu.ac.jp/jyuken/index.html

■申込フォーム

https://www.teu.ac.jp/entrance/open/reception/index.html

 

 

生命科学

   

多田

植物工学研究室

海水で育つ植物、肥料が不要な植物、おいしいイチゴなど夢の植物を創ります。

松井(徹)

バイオプロセス工学研究室

SDGsを達成するための新しい微生物を探して社会のために活用します。

村松

生命ナノ工学研究室

薬物による細胞の形態・物性的な変化を連続的にモニタリングする技術の研究を行っています。

矢野・岡田

応用生体科学研究室

病気の診断や治療に役立つ研究をしています。がん細胞の培養操作を体験してみませんか?

横山・永瀬

応用生化学・ヘルスケア工学研究室

病気を見つける、健康を測る、健康を創るヘルスケアツールを研究しています。

     

医薬品

   

加藤

生体機能化学研究室

病気に関連する物質の可視化方法や遺伝子診断薬の研究をしています。

土井

バイオインフォマティクス研究室

コンピュータを使って生命科学、医薬品の研究をしています。

西

分子生物学研究室

ゲノムDNAを守るシステムと、その知見に基づく医薬品の創成を研究しています。

村上

腫瘍分子遺伝学研究室

遺伝学的手法で新規分子標的候補になりうる遺伝子の機能を解析しています

     

化粧品

   

柴田・伊澤

化粧品材料化学研究室

敏感な肌と環境に優しい化粧品のための、原料と製剤技術を研究しています。

藤沢

抗酸化物質化学研究室

皮膚の機能と酸化ストレスとの関連について研究をしています。

吉田(雅)

皮膚生理学研究室

シミやあれ肌の改善を目指して皮膚の機構の研究をしたり、新しい肌診断法を研究しています。

     

食品

   

遠藤

食品機能化学研究室

食品の安全と安心、SDGsについて油脂の観点から研究しています。

西野・中村

応用微生物学研究室

食品に関連した微生物を研究対象にしています。

食品加工学研究室

加工による食品の品質保持や機能性向上に関する研究をしています。

野嶽

生化学研究室

「善玉菌や食品のパワーを活用して、身体やお肌の調子を整える!」的な研究をしています。

佐藤(拓)

アンチエイジングフード研究室

食品によるアンチエイジングを研究しています。

 

 

7月17日にオープンキャンパスが実施されます

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

7月17日に来場型でオープンキャンパスが行われます。オープンキャンパスでは13研究室が公開されますので、是非見に来てください。事前申込み制ですが当日申し込みも可能です。

■7月オープンキャンパス情報はこちら

https://jyuken.teu.ac.jp/jyuken/index.html

■申し込みフォームはこちら

https://www.teu.ac.jp/entrance/open/reception/index.html

同じ日に、体験実験の「Challenge Lab.」が開催されます。実験のテーマは「バイオテクノロジーを用いたDNAの判別方法」です。事前登録制ですが、こちらも是非参加してください。

Challenge Lab.の詳細と申し込みはこちら

https://www.teu.ac.jp/siryou/rika/index.html

コース名

研究室名

概要

生命科学コース

バイオセンサー研究室(秋元)

遺伝子組み換え微生物を利用して地雷や環境汚染物質の測定をしています。

生命機能応用研究室(中西)

細胞を用いたプラスチックの作製など、微生物の新規利用法を開発しています。

応用生体科学研究室(矢野・岡田)

病気の診断や治療に役立つ研究をしています。がん細胞の培養操作を体験してみませんか?

エピジェネティック工学研究室(吉田(亘))

遺伝子を標的とした診断薬や医薬品を作る研究を行っています。

医薬品コース

生物創薬研究室(佐藤(淳))

ガンや脊髄損傷の治療薬をラクトフェリンで狙っています。

機能性RNA工学研究室(杉山・丸山)

がん細胞やプラナリア再生を抑制する核酸などを研究しています。

バイオインフォマティクス研究室(土井)

コンピュータを使って生命科学、医薬品の研究をしています。

化粧品コース

毛髪科学研究室(岩渕)

毛髪、頭皮、化粧の印象心理の研究をしています。

美科学研究室(前田)

美容皮膚科学と機能性化粧品の研究をしています。

皮膚進化細胞生物学研究室(松井(毅))

皮膚表皮の角層バリアの形成機構を研究しています。

食品コース

免疫食品機能学(今井)

アレルギーや老化に有効な機能性食品の研究をしています。

アンチエイジングフード研究室(佐藤(拓))

食品によるアンチエイジングを研究しています。

生化学研究室(野嶽)

「善玉菌や食品のパワーを活用して、身体やお肌の調子を整える!」的な研究をしています。

 

 

 

2022年度オープンキャンパスのお知らせ

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

2022年度のオープンキャンパスが始まります。第1回目は6月12日に来場型で行われます。このオープンキャンパスでは

 ◆ 研究室見学
 ◆ 2023年度入試説明会
 ◆ キャンパスツアー
 ◆ 個別相談(授業・学生生活・就職・先輩学生)
 ◆ 化粧品サークル活動紹介

が実施されます。公開する研究室は下の11研究室です。どの研究室でもユニークな研究を行っていますので、希望の専攻の研究室も、それ以外の専攻の研究室も覗いてみてください。生命科学・医薬品専攻

○生命科学コース

水環境工学研究室(浦瀬・後藤)、植物工学研究室(多田)、生命機能応用研究室(横山・中西)、応用生化学・ヘルスケア工学研究室(横山・永瀬)

○医薬品コース

機能性RNA工学研究室(杉山・丸山)、腫瘍分子遺伝学研究室(村上)、

食品・化粧品専攻

○化粧品コース

毛髪科学研究室(岩渕)、美科学研究室(前田)、抗酸化物質化学研究室(藤沢)

○食品コース

免疫食品機能学(今井)、アンチエイジングフード研究室(佐藤(拓))

 

()内は研究室の先生の名前です。

 

6月オープンキャンパス情報はこちら

https://jyuken.teu.ac.jp/jyuken/index.html

申込フォームはこちら

https://www.teu.ac.jp/entrance/open/reception/index.html

 

  応用生物学部 秋元

ネアンデルタール人とホモサピエンス

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

(個人的な意見が多く混ざっています)


ネアンデルタール人とホモサピエンスが北半球で共存した時間は今から7万年前から4万年前になると思われる。これはホモサピエンスが7万年前にアフリカ大陸を出て、アラビア半島に到達したとき(7万年前)にはじまり、氷河期が最も強く進行した時期(4万年前)と一致する。この時期は地球の寒冷化が強く進行した時期であり、彼らは過酷な食料不足に見舞われたと想像できる。この食料不足においても生き残る可能性が高かったのは、ケトン体に傾斜した代謝系を持つホモサピエンスであったに違いない。なぜなら絶食したとき、ブドウ糖のもとになるグリコーゲンは半日で貯蔵が尽きるのに対し、脂肪から生産されるケトン体では最低二カ月くらい生存を維持できるからである。ホモサピエンスが地球の寒冷化に合わせて代謝系を長寿型(ケトン体に傾斜したハイブリッド)に進化させたと考えられる。ホモサピエンスは20万年前にアフリカ東部に現れて7万年前にアラビア半島に進出するまで殆ど飢餓の状態を当たり前としてそれに適応した生理的な機構を身に付けたのである。この飢餓の状態で生き残る確率を最大化するための手段がケトン体であり、ブドウ糖とケトン体のハイブリッドで身体を駆動させていたはずだが、現代人よりもはるかにケトン体に傾斜していたに違いないとみている。

ホモサピエンスとネアンデルタール人の体格を比較すればすぐにわかることは、前者は持久力、後者は瞬発力に力点をおいた構造になっていることだろう。ヒトの骨格筋には赤筋と白筋の2種類があり、持久力を得意とする赤筋はミトコンドリアが多く、瞬発力を得意とする白筋はミトコンドリアが少ないとされる。ホモサピエンスは赤筋が多く、ネアンデルタール人は白筋が多かったと推察できる。この二種類の骨格筋は代謝様式も異なることが知られていて、赤筋はミトコンドリアで酸素の存在下で、ピルビン酸やケトン体を使って効率よくエネルギーを生み出せるので、持久力を発揮できる。一方白筋は解糖系でブドウ糖を使ってエネルギーを生み出すため、効率は低いが瞬発力を発揮できる。すなわちネアンデルタール人の方がエネルギー需要量が大きいとともに、これを賄うエネルギーは解糖に依存し、ぶどう糖がメインなエネルギー基質であると予想できる。さらに筋肉量の差から、ネアンデルタール人のエネルギー需要量はホモサピエンスよりも20%程度高かったかと予想されているから、ネアンデルタール人はより多くのエネルギーが必要なのに、エネルギー効率のあまり良くないぶどう糖を使っていたことになる。この差が両者の飢餓状態での生存に決定的な役割を果たしたとも推察できる。このようにホモサピエンスがネアンデルタール人よりもケトン体を効率的に作り出し、効率的に使えていたとしたら、ホモサピエンスは飢餓状態では生存に有利であっただろう。この飢餓状態の中でさらに長く生き残れる可能性のある体制獲得したホモサピエンスが生存競争に有利であったということになる。

ヒトは700万年前に出現したときから、「ブドウ糖とケトン体のハイブリッド」で駆動することが基本になっているが、それぞれのヒトの種類によってどちらに傾斜しているかは変わることになる。構造から、ホモサピエンスがケトン体、ネアンデルタール人はブドウ糖によるエネルギー生産に力点があったことがわかる。この2種類のヒトの運命を分けたものは、この代謝系であった可能性は高いと思う。

まとめながら考察を続ける。人類の祖先は、約700万年前に出現したアフリカの疎林帯に直立2足歩行する類人猿として現れた。人類は殆ど恒常的に飢餓に見舞われたに違いない。ホモサピエンスは度重なる食料不足に見舞われ、飢餓に耐えるようにカラダの機構全てを作り替えた。特に炭水化物に大きく依存するシステムは大変に危険であり、ブドウ糖とケトン体のハイブリッドをより生存の確率の高いシステムとして選択したに違いない。何しろ疎林帯で得られる食材(動物の肉や果実や木の実など)は糖質よりもタンパク質や脂肪のほうが多いのである。

一般に脳は他の組織と比べてエネルギーの需要はとびぬけて大きい。2%の重量で25%のエネルギーを消費している。すなわち燃費効率の悪い脳を正常に機能させるために、身体の構造を進化させたのではないかとさえ思われるのだ。このような脳の大型化が始まるのは、約250万年前にアフリカ東部に出現したホモエレクタスと言われている。それまでの人類(例えばアウストラロピテクス)は600g程度の脳しかなかったが、ホモエレクタスは1100g程度の脳になり、急速に脳を巨大化させたのだ。それまでの人類は木の実なとの採集が主であったのに対して、ホモエレクタスは初めて火を使い、料理を始めた人類だといわれているが、肉を料理して食べることが多くなったのではと推察され、この時にケトン体産生へのシステムの傾斜が強まったのではないか、すなわち恒常的にケトン体が高いシステムに移行したのではないか。これが脳へのエネルギー供給を可能にし、飢餓状態での耐性を人に与えたのではないか。つい最近まで脳のエネルギー基質はもっぱらブドウ糖であるといわれてきた。しかしケトン体があればこそ、脳は正常に機能できると私は確信する。人類が脳を巨大化させたのは、ホモエレクタスが肉を料理して食べることによってケトン体の脳への供給があったからこそ可能だったと思う。またホモエレクタスからホモサピエンスまでほとんどの期間、人類は飢餓の状態にあったといってよく、この状態では脳の消費されるエネルギーのかなりの部分(数mM程度のケトン体の濃度だとすると半分程度)はケトン体から供給されていたと考えられる。ホモサピエンスはこの飢餓に耐えるための体制を基本としているように見え、彼らの子孫である私たちが、脳だけはブドウ糖で動くと考えるのはむしろ不合理である。たとえサブとしてでも、脳でもケトン体をふだんから利用していると考えるのが自然である。

東京工科大学 応用生物学部 佐藤拓巳

つぶやき、始めてみました。

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

今やSNSは情報発信のツールとして欠かせないものになり、私たちの生活にすっかり定着しています。コロナ禍においては、その恩恵がさらに増したのではないでしょうか。大学においても、研究成果の発信や学生募集などの広報活動の一環として、SNSの活用に力を入れています。

応用生物学部では、学部の公式ウェブサイトの他にブログFacebookTwitterを日々更新しています。学部の紹介が中心のウェブサイトに対して、SNSでは研究室の日常の出来事から研究成果までを、少しライトなタッチで親しみやすく情報発信しています。応用生物学部の「今」がわかりますので、学生の皆さんに留まらず、応用生物学部に関心を寄せていただいている高校生の皆さんにも訪れていただきたいものです。

当研究室(食品・化粧品専攻 生化学(野嶽)研究室)でも研究室のウェブサイトを運営していますが、「研究室の日常」という項目を設けて、ここにFacebookをリンクさせています。以前から研究室内の出来事をやわらかい文章にして書き留めています。そして今回、応用生物学部の取り組みを参考にして、当研究室でもTwitterを開始しました! いざ始めてみると、意外と楽しいことに気づきまして、研究室の雰囲気作りにも役立っています。

Nodake

閲覧統計データによると、本当に多くの方から当研究室のつぶやきに反応していただいていることがわかります。これは想像以上でした。実際に、研究室のメンバー以外の方から、「Twitter見ましたよ~!」「楽しそうな研究室ですね!」と声をかけていただくことが多く、研究室の雰囲気を伝えるためのツールとして、コースや研究室の選択の際にも参考にしていただいています。高校生の皆さんの目にも留まるように、今後もウェブサイトやSNSを利用して積極的に情報発信していきたいと思います。フォローよろしくね!

野嶽勇一

«この時期の研究室は・・・