ありがとうございます

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

こんにちは。矢野研助教の岡田です。あっという間に年末ですね。今年は私にとってはじめての経験の多い、実りある一年となりました。中でも、1年生の基礎実験は大変良い経験、そして良い思い出となりました。

なんと表現して良いか、ぴったりな表現がすぐには出てこなくてもどかしいですが、皆さん感性がみずみずしく、毎度実験で心が洗われるようでした。毎回皆さんにお会いするのが楽しみでした。いつも気さくに声をかけて下さってありがとうございます。挨拶だけでもとても嬉しい気持ちになりますね。

一年生の皆さんは、各々、高校で学んできた科目が違うことと思います。大学ではじめて学ぶ科目もあるのではないでしょうか?あるいは、はじめて実験機器にふれたという皆さんもいることと思います。

個人的には、1年生の実験は、座学とはひと味違った実験ならではの楽しさや、 “はじめまして”の科目について親しみをもつちょっとしたきっかけになったらよいなと思いながら進めておりました。皆さんが実験の感想を伝えてくださるのは大変嬉しく、良い点も改善点ももれなく参考にさせていただいております。

ところで、皆さんは新しい大学生活はいかがだったでしょうか?新しい環境で戸惑う人もいれば、躍進した人もいることと思います。勉強にしろ、遊びにしろ、新たなこと・もの・ひとに向き合う時には、ある程度の想像力が大切だと私は思っておりまして、日々培ってきたささやかな視点なり感性なりが、想像力を育む土壌となっていくのではないかと考えています。ですので、もし目に見えるようなわかりやすい結果が得られなくとも、まずは自分なりの視点や感性を大切に、のびやかでしなやかな大学生活を送ってくださいね!私の実習の担当は第3クオーターで終了しましたが、いつでも心より応援しております。

最後に、本文と全く関係ないですが、大学在住ののびやかな猫の写真を掲載します。

2

抗生物質の実験

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

抗生物質とは「ある微生物が生産する物質で、他の微生物の増殖を抑える物質」と定義されている物質です。みなさんも風邪などの病気になった時にお世話になっているかもしれません。

抗生物質はイギリスのフレミングによって発見され、1945年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。その後、日本の大村智さんも抗生物質に関する一連の研究成果を評価されて2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

今、応用生物学部の2年生は、抗生物質が大腸菌の増殖を抑えることを確認する学生実験を行っています。抗生物質を丸い紙にしみ込ませ、大腸菌を塗った培地の上に置きます。その状態で37℃に保ち、一晩培養すると紙の周囲だけ大腸菌が生えない様子が観察されます。写真の白い丸は抗生物質を含んだ紙です。大腸菌が一面に増殖していますが、紙の周辺は何も生えず透明です。この菌が生えていない部分は阻止円(ハロー)とよばれ、抗生物質の濃度が高くなるとハローの直径も大きくなります。

現在担当している学生実験では、この他にも顕微鏡で大腸菌や納豆菌を見たり、大腸菌と納豆菌の耐熱性や紫外線耐性を比較したりする実験を行っています。

このような実験をすることで、将来、医薬品開発や食品製造を行う仕事に就くきっかけになってくたらと考えています。

西野

Photo

図 抗生物質によって大腸菌の増殖が抑えられる様子

微生物に愛を、中西です。

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

二回目のブログの執筆を承りました、生命機能応用 (軽部-中西) 研究室の中西です。
なかなか大学内外の皆さんに私や研究室について知ってもらう機会が無い中で、Blogの執筆を賜れたのは非常にありがたく嬉しいことだと思います。この場を借りて感謝申し上げます。

さて、前置きはこれくらいにしまして…。現在、我々は微生物を用いた物質生産を目指して研究を進めています。微生物は色々な機能を有しているので、将来的には医薬品や化粧品、食品に関わる物質の生産研究を進めていきたいと考えています。

前回も本blogで聞きましたが、微生物地位向上委員会の私としては気になるトピックがあります。皆さん微生物についてどんな印象を持っていますか?

くさい?きたない?よくわからない?何にしてもネガティブな印象を持たれている方が多いのではないでしょうか?なんだかどうも微生物に関して社会での印象が芳しくない気がしています。中には腸管出血性大腸菌をはじめ、人間にとって悪い奴が多くいるからそれはそれで仕方ないのかもしれませんが…。

微生物にはたくさんの種類がいます。それはもう数えられないくらいの種類と数がいます。だから中には悪い奴もいますが、いい奴も、あまり人間に関係なさそうな奴もいて、千差万別なのです。特に我々が主に使っている微生物は臭くも汚くないし、むしろ環境浄化に関わる微生物です。しかも我々人間に役立つ物質も作ってくれるので、ちゃんと向き合えば応えてくれる微生物です。(よくわからないこともたくさんありますが、今後お付き合いすることで深く知り合えたらと思っています)

案外、私が思っているよりも、また皆さんが思われるよりも微生物には人間にとって良いやつが多いので、微生物を今より少し優しい目で見つめてあげて下さい。いい奴に対しては愛で応える。非常に大事ですね。そうすればきっと、彼らも我々に優しく接してくれることでしょう。愛って素敵。

…おっと、今ブザーが鳴った。ああ、オートクレーブ(121℃, 2気圧の環境で微生物を完全に殺す操作)中だった。さ、お片付けしよう。

中西

181115_img_0193

着任のご挨拶(新任助教 伊澤千尋)

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

皆さん、はじめまして
10月から、応用生物学部の先端化粧品コース化粧品材料化学研究室の助教になりました、伊澤千尋です。

これまでは、光触媒などの無機材料を中心に研究してきました。
光触媒とは、光を使って酸化還元反応を起こすもので、一番有名な物質は酸化チタン(TiO2)かと思います。最近では、防汚や抗菌などの目的で様々な製品に光触媒コーティングとして酸化チタンが利用されているのを目にします。また、中学・高校の教科書にも光触媒が掲載されるようになったので、聞いたことがある方も多いと思います。

「無機材料」や「光触媒」と聞くと、化粧品とはだいぶかけ離れた存在のような印象をもたれるかもしれません。しかし、光触媒として有名な酸化チタンは、化粧品では白色顔料として多く使われています。身の回りの化粧品の成分表示を見てもらえればわかると思いますが、私が持っているファンデーションやアイシャドウ、チーク、コントロールカラー、日焼け止め などなど…様々なメイク用化粧品に「酸化チタン」が配合されていました。

Photo

酸化チタンを光触媒として用いる場合は、効率よく反応させることを目指して研究を進めていきます。一方、酸化チタンを化粧品に用いる場合は、肌への付き方や、光の反射の仕方を改善することを目指していきます。これらの機能は、形状によって変化するので、形状をコントロールすることが、機能の向上につながります。

これまで私は、合成法を工夫することで、光触媒の形状をコントロールする研究をしてきました。これからはその知識を活かして、化粧品に用いられる材料について、形や大きさなどの形状をコントロールし、機能の向上を目指したいと思っています。いつかブログで「こんな新しい化粧品材料を作りました!!」と報告ができるよう頑張って研究していきます。

先端化粧品コース  伊澤千尋

機能性RNA工学研究室に着任しました丸山です

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

はじめまして。この度、応用生物学部の機能性RNA工学研究室に助教として着任いたしました丸山と申します。このBlogでの執筆は今回が初めてですので、簡単に自己紹介させていただきます。

私の専門分野は分子生物学や生化学で主に脂質代謝領域で研究をしてきました。脂質代謝といっても物性評価ではなく、肥満やII型糖尿病といった生活習慣病の予防を目的とした研究です。例えば、脂肪酸やコレステロール生合成に関与する遺伝子の働きを抑える有効成分の探索や、遺伝子工学を用いて体内の脂肪の蓄積に関わる遺伝子の機能の抑制を目指します。皆さんも最近スーパーやコンビニエンスストアで機能性表示食品を目にする機会が多いとは思いますが、研究成果が将来的にこのような商品に応用されるかもしれません。

私はこれまでに「小胞体ストレス」という現象について特に研究をしてきました。小胞体はタンパク質の合成を司る細胞内小器官です。小胞体におけるタンパク質の合成が正常に行われないと不良タンパク質と呼ばれる品質に問題のあるタンパク質が蓄積し、小胞体ストレスが発症します。小胞体ストレスは代謝性疾患やがんなど様々な病気に関係しているといわれています。今後は当研究室で行われているRNA干渉技術を利用して小胞体ストレス応答に関係するshRNA探索を検討したいと考えています。

私は昨年アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンに滞在していたのですが、ちょうど今ぐらいの時期に地元の野球チームが球団創設後初めてワールドシリーズを制覇しました。優勝パレードには100万人が訪れ、町全体が非常に盛り上がっていました。今年は連覇できずに残念でしたが、また来年頑張ってほしいです。

Img_0367_a

もし何かご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、お気軽に研究室までお尋ねください。今後ともよろしくお願いします。

化粧品がなぜ応用生物学部?

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

181007_3

高校生の皆さんは、大学を卒業したらどんな仕事や業界に就きたいか考えて志望大学や学部を決めると思います。では、化粧品業界に入りたい人は、どこに進学したら良いのか?その答は、東京工科大学の応用生物学部です。日本で最初に化粧品に特化して立ち上がった先端化粧品コースがあります。

先端化粧品コースは知る人ぞ知る化粧品業界への入口で、強い指向性を持った受験生が沢山進学してきます。企業からの注目度も高く毎年夏に主催する先端化粧品科学シンポジウムには、ありがたいことに百社を超える化粧品関連企業の参加をいただいています。化粧品業界は、大手企業も中小企業も共に仲良く支えあっている業界です。卒業生の多くはこれらの会社に就職します。そして違う業界に就職する人も化粧品を勉強したことに満足して卒業していきます。

181007

大学は勉強し研究するところですから、講義としては基礎科目に加え化粧品分野の専門科目を沢山学びます。研究としては、メーキャップ素材、ヘアカラーや印象などの研究もありますが、最近注目度の高い、肌に優しい基礎化粧品、肌トラブルの解決を助ける薬用化粧品、養毛や抑毛に使える化粧品素材、肌の光老化などの研究も行っています。この肌や毛髪の研究は、一つ踏み込むと実は、細胞の研究なのです。毛髪を作りだす毛包や肌を構成する表皮や真皮は、複数の種類の細胞が沢山集まって成り立つ小さな世界(小器官)であり、その健康状態を保つのも環境ストレスでやられるのも、細胞なのです。そして、皆さんには意外かもしれませんが、表皮にも毛髪にも幹細胞があります。幹細胞というと多能性幹細胞やそれを使った再生医療をイメージする人が多いのですが、実は健康な肌や髪の毛も幹細胞が支えているのです。そしてもっと話を拡げるなら、幹細胞の研究は、がんという病気の治療にもつながるのです。というわけで、化粧品の研究を応用生物学部でしている理由がわかると思います。

私の研究室では主に、基礎化粧品や薬用化粧品の新たな成分と細胞に対する作用について研究していますが、上のような理由で、がん細胞に抗がん剤がもっと良く効くようにするための研究も行っています。この研究を行っている当研究室の松本展希君が、最近、日本薬学会関東支部大会での研究発表で優秀ポスター発表賞を受賞して、やる気爆発中です。冒頭の写真は紅華祭(学園祭)での様子です(右端のシスターが松本君)。

タバコの煙

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

今年の秋は天候不順です。10月に入っても台風がやってきます。夏のように暑い日もあります。環境変化による皮膚の応答性を研究している私としては気になるところです。環境と皮膚ですが、最近、化粧品の分野では大気汚染物質の皮膚への影響に関心が高まっています。

大気汚染物質の最も身近なものは、やはりタバコの煙ですかね。タバコの煙を充満させたビニール袋になかにセロテープで剥離採取した角層を1時間入れておきました。角層タンパクが簡単に酸化されてしまいました(グリーンに光る蛍光が酸化タンパク)。タバコの煙、恐るべしです。

正木 仁

Photo1

学会発表と名物

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

生命科学・環境コース 植物工学研究室の多田です。日本植物細胞分子生物学会(8月26日~28日、金沢商工会議所)と日本育種学会(9月22日~23日、岡山大学)に参加して発表してきました。
前者は大学院生の川上君も一緒に参加しました。二人ともソナレシバという耐塩性の強い植物のカリウムトランスポーター(カリウム運搬体)に関する発表をしました。塩ストレス(ナトリウム過剰)条件では、ナトリウムと性質の似ているカリウムの吸収が阻害されるため、カリウムの取り込みをするカリウムトランスポーターの研究は耐塩性の仕組みを調べるうえで重要です。我々が発見したカリウムトランスポーターは、これまでに報告されているものとは異なるユニークな特性を持っており、今後の展開が期待されます。
日本植物細胞分子生物学会では、昨年まで私の研究室にいた来須先生(現・諏訪東京理科大学 准教授)が奨励賞という若手対象の賞を受賞しました。記念に一緒に写真を撮りました(写真1)。

P1

写真1 会場前で来須先生と

学会では名物や名所がつきもので、金沢ではテニスの錦織選手も大好きな「のどぐろ」やホタルイカ、変わった歯ごたえのもずくなどを楽しみました。有名な兼六園も見学しました。岡山では、鰆(さわら)という魚が有名らしく、刺身で食べるとおいしかったです。モモとブドウは高いので、果汁入りのチーズケーキを研究室のお土産にしました。

P2

写真2 会場の岡山大学
生命科学・環境コース 多田

もろみ酢から開発した新規乳酸菌飲料 「美らBio」 の誕生

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

皆さんは、「産学共同研究」という言葉を聞いたことがありますか? 大学と企業が互いに得意とする技術を提供し合って、協力して研究に取り組みます。各々が単独で研究に挑むよりも、効率よく研究を進めることができます。得られた研究成果は地域経済の活性化に繋がる場合もあることから、大学に対する地域社会からの期待が高まっています。このような背景から、生化学研究室においても産学共同研究を数多く展開してきました。今回のブログでは、これらの産学共同研究の研究成果の一つである「美らBio(チュラビオ)」について紹介したいと思います。

お酒が好きな方の中には、泡盛を飲んだことがある方もいらっしゃると思います。沖縄の代表的な特産品の一つである泡盛は、タイ米を原料とするお酒です。この泡盛の製造工程では、搾った残渣(もろみ粕)が生じます。泡盛の醸造元である(株)石川酒造場(沖縄県西原町)では、泡盛の副産物であるもろみ粕から、世界で初めて「もろみ酢」を製造しました。もろみ酢には黒麹菌のはたらきで作られたクエン酸や必須アミノ酸が豊富に含まれており、健康飲料として親しまれてきた歴史があります。その一方で、もろみ酢の独特の風味を苦手と感じる方がいるという点については、長年の課題とされてきました。そこで(株)石川酒造場と琉球大学農学部では、乳酸菌による発酵技術を利用してもろみ酢の風味改善に挑んできました。研究開始から多くの試行錯誤を経て誕生したのが、まろやかな味わいが特徴の乳酸菌発酵飲料「美らBio」です。

1

どんなに良い製品が完成しても、それだけでは販売には至りません。製品を長く販売していくためには製品のコンセプトの決定が大変重要であり、ターゲットとする購買層(男女、年齢、生活スタイル等)、原価、パッケージデザイン、大量生産化、販売網の確保など、検討項目は多岐にわたります。当研究室は(株)石川酒造場からの依頼を受け、美らBioの製品コンセプトを検討するための産学共同研究に参画してきました。

当研究室では、マウスに対して高脂肪食と同時に美らBioを一定期間摂取させ、美らBioの健康機能性を評価しました。その結果、美らBioを摂取させたマウスでは、内臓脂肪の蓄積や血中コレステロール濃度が抑制されていることが明らかとなり、肝機能の改善も確認されました。食品に関するエビデンスの収集はその食品の価値を高めることに直結することから、研究者の立場から今後の美らBioの展開やもろみ酢市場の活性化に期待しています。

最後にもう一つ。9/10に東京ビッグサイトにおいて、「ダイエット&ビューティーフェア2018」が開催されました。今回で17回目となる本フェアは、コスメ・美容機器・サプリメント・インナービューティー等に関する新たなトレンドや商機を生みだすための情報交流の場として、毎年3万人近い来場を集めます。本フェアでは、数多くの優れた美容健康商材の中から「地域の魅力を発揮している最も仕入れたいアイテム」を選出し、「ジャパンメイド・ビューティアワード」として表彰も行っています。今回、栄えある最優秀賞に輝いたのは、我らが「美らBio」だったのです!

2

当研究室では、美らBioに限らず、卒業研究の中で産学共同研究に関する研究に取り組んでいただくことがあります。「自分が明らかにした研究成果が将来の製品化に繋がるかもしれない」と考えると、卒業研究に対するモチベーションも上がるのではないでしょうか。高校生の皆さん、在学生の皆さん、当研究室で食品科学(発酵食品)研究やスキンケア研究に取り組んでみませんか?

生化学研究室 野嶽勇一

3

アイスクリームは美味しいうちに食べよう。

| 投稿者: 応用生物学部スタッフ

先端食品コースの梶原です。今年の夏は記録的な暑さで、気温30℃が涼しく感じられました。こんな日はアイスクリームが食べたくなりますよね。

アイスクリームを家庭用冷凍庫で長期間保存するとどうなるか分かりますか。アイスクリームには小さい氷の粒が含まれています。一般的な家庭用冷凍庫の温度は約-20℃で、この温度ですと小さい氷の粒から水蒸気が昇華して、この水蒸気は大きい氷の粒に付着し、氷の粒がより大きくなります。アイスクリーム中の氷の量は変わりませんが、その粒の数は減り大きさが大きくなるのです。すると、なめらかな食感からざらついた食感になり品質が低下します。

氷点下20℃でもゆっくりですが昇華が起こるのです。アイスクリームの品質低下は家庭用冷凍庫で一カ月保存すれば分かります。冷凍庫で保存しても長期保存は難しいようです。アイスクリームは早く食べたほうがよさそうです。

Popsicle154321_1280

«捕まえた魚の正体